
皆さんは、学校や塾の授業を受ける際、ノートを取っていますよね。しかし、「どうしてノートを取らなければならないの……?」と、疑問に感じたことはないでしょうか?
それだけではなく、他にも、
「ノートは取ってるけど、板書を書き写して終わってしまう……」
「板書はノートに取れているけど、イマイチ頭に入ってこなくて……」
「きちんとノートを取りたいのだけれど、授業のスピードの方が早くて困ってる……」
と、こんな風に感じていて、ノートを十分に活用できているか、不安になっていませんか?
今回は、そんな皆さんに向けて、ノートを取る必要性や、おすすめのノートの取り方、使い方のポイントについて、ご紹介します。
なぜノートを取るのか?

まずは、なぜノートを取るのか、その必要性についてお話します。
記憶を定着させるため
ノートを取る大きな理由の一つ目は、勉強したときの記憶を定着させるためです。
脳に記憶を定着させるには、人間の五感を複数使用することが有効だといわれています。五感とは、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚の五つで、多くを使うほど、記憶を定着させやすくなります。
そのため、視覚、聴覚を使って授業を受けながら、触覚を使ってノートを書くのは、記憶を定着にとても効果的です。
また、ノートを取ることで、授業に対して積極的な姿勢で望むことができます。「授業の内容を頭の中で自分なりにまとめてから書く」という過程を経ることによって、より前向きな気持ちで勉強に取り組めるでしょう。
後から復習できるようにするため
ノートを取る大きな理由の二つ目は、後から復習できるようにするためです。
書いたノートを何度も見返すことで、学習効果を高めることができます。なぜなら、学習の効果を定着させるには、「短期記憶」を「長期記憶」にシフトさせることが、不可欠だからです。
ノートを書いた時の記憶は「短期記憶」として残ります。そして、その「短期記憶」を「長期記憶」に変えるのが復習です。
そのため、ノートを取ったあと、それを後から見返すことによって、勉強の効果が高まります。「わかった」を「覚えた」に変えるのに、ノートはとても役立つのです。
塾や学校でおすすめのノートの取り方

次に、塾や学校でノートを取る際、どのような方法がおすすめか、ご紹介します。
書き写すだけでなく理解して書く
ノートを取る時は、先生の言葉や板書を書き写すのではなく、内容を理解しながら、自分なりにまとめて書きましょう。授業の内容を自分の中でかみ砕いてからノートに書くことで、学習効果が高まります。
なぜなら、そうしたノートの取り方をすることによって、「理解して、その内容をまとめる」という、主体的な姿勢で授業に臨めるからです。
反対に、内容を理解しないまま、先生の言葉や板書を漫然と書き写していると、どうしても、授業に対して受け身になってしまうでしょう。
こうした理由から、先生の言葉や板書を自分なりにかみ砕いてからノートに書くようにすると、学習効果がアップします。
余白を作りながら書く
ノートは、適度に余白を作りながら書くのがおすすめです。
余白があることによって、ノートの情報を見直しやすくなり、復習の効果が高まります。加えて、ノートを見直したときに湧いてきた疑問点をメモしたり、自分なりの解釈を書き足すこともできます。
こうした観点から、余白を多めに取ったノート作りをするのがおすすめです。
イラストや図でわかりやすくする
ノートを書く際は、イラストや図を積極的に活用しましょう。
なぜなら、イラストや図を活用することで、印象に残りやすいノートにできるためです。
視覚的な情報は記憶に残りやすく、文字だけのノートに比べて、勉強した内容を定着させやすくなります。凝ったものでなくてよいので、取り入れてみましょう。
もし、素早く書くのが難しい場合は、簡単なものに留めたり、後で書き込みができるよう、余白を残しておくとよいです。
記号やアイコンを効果的に使う
ノート作りでは、記号やアイコンを使うことを意識してみましょう。
なぜなら、記号やアイコンによって、表記を簡略化したり、情報をコンパクトに、かつ視覚的に書けるからです。
ノートを書く時間の短縮にもなるため、授業の内容を理解することにより集中力を割きやすくなります。
記号やアイコンの例としては、
- 「→」……因果関係を表す
- 「=」……同等、イコールを表す
- 「☆」……重要ポイント、後から見直したいと思ったところ
- 「※」……背景や理由、補足
- 「!」……注意点
- 「?」……疑問に感じたこと
などが挙げられます。
自分なりのルールを決め、視覚的なノート作りをしてみましょう。
マーカーなどの装飾を適度に使う
マーカーや色ペンによる適度な装飾は、重要項目を強調するのに役立ちます。
試しに、重要度の高い単語や用語、先生が強調したポイントなどを、四角で囲って装飾してみましょう。それだけでも、後からノートを開いた時、その部分に自然と注目を集めることが可能です。
装飾を行う際は、事前に使い方のルールを決めておくと、授業中に迷うことなく使用できます。「赤は重要部分」、「青は補足」など、自分なりに設定してみましょう。
講師や先生の重要な話もメモする
講師や先生が「重要」、「大切」、「テストに出る」と言った部分は、板書されていなくとも、メモを取りましょう。
なぜなら、板書されていない情報も、貴重な情報源だからです。
そうした情報は、あらかじめ作っておいた余白にメモしておきます。こうした部分を抑えておくことで、板書のみを追う生徒と、差をつけることもできるでしょう。
ノートの取り方・使い方の注意ポイント

最後に、ノートの取り方や使い方で注意したほうがよいポイントについてご紹介します。
ノートを取ることに集中しすぎない
ノートを取ることは大切ですが、それだけに集中しすぎないように、注意しましょう。
なぜなら、最も重要なのは、授業を理解することだからです。
板書を写すことに気を取られて先生の話を聞けなかったり、イラストを追加することに熱心になってノートを取るのが追いつかないのでは、本末転倒です。
ノートを取ることだけに集中してしまって、授業を聞き逃すことがないよう、気を付けましょう。
色ペンの種類を増やしすぎない
ノートを取る際は、色ペンの種類を増やしすぎないようにしましょう。
なぜなら、色ペンの目的はあくまで、「強調」だからです。
にぎやかなノートであっても、カラフルになりすぎてどこが強調されているかわからないのでは、勉強に役立てるのには不向きですよね。
他にも、「この色は、どんな意味合いで使っていたのだっけ?」となってしまう場合も、色ペンを使った意味がなくなってしまい、本末転倒です。
色ペンは3色程度に留めることがおすすめです。騒がしくなりすぎず、ポイントを押さえるのに十分な色を確保することができます。
キレイなノートを目指しすぎない
ノートを取る上で、「キレイなノート」を目指しすぎないよう、気を付けましょう。
整然としたノート、楽しくデコレーションされたノート、凝った図やイラストなどを作ると、ノート作りばかりに忙しくなってしまいます。
そのせいで、時間が足りなくなってしまったり、ノートに抜け漏れが出てしまってはいけません。
こうしたことを防ぐためにも、「キレイなノート」ではなく、「わかりやすいノート」を目指してノートを作るよう、心がけてみましょう。
複数教科・科目で同じノートを使わない
ノートは、教科や科目ごとに分けておくようにしましょう。
なぜなら、復習するとき、一冊のノートに複数の科目や教科が詰まっていると、混乱しやすいためです。
したがって、複数の教科や科目で同じノートを使ったり、「全科目同じノートにして、一冊で賄う」のはNGといえます。
後から学び直しやすくなるためにも、ノートは分けておくのがおすすめです。
まとめ
ノートを取るという行為は、記憶を定着させ、授業を復習できるようにする上で、とても大きな効果があります。
塾や学校でノートを取る際は、書き写すだけでなく理解することを意識してノートを取る、余白を作りながら書く、イラストや図を活用してわかりやすくする、記号やアイコンを効果的に使って簡略化する、マーカーなど適度な装飾を行うことがポイントです。
また、授業中に講師や先生が口頭で「重要」と強調した話をノートに書き記しておくと、周囲に差をつけることができるでしょう。
ノートを取る際の注意点としては、ノートを取ることに集中しすぎないよう気を付けること、色ペンの種類を増やしすぎないこと、キレイなノートを目指しすぎない、複数教科・科目で同じノートを使わないといった点が挙げられます。
ノートはただ授業を記録するためだけでなく、勉強の効率を高め、復習を助けてくれるツールです。今回ご紹介した内容を参考に、ぜひ、ノートの取り方を見直してみてください。