
現在、お子さんを塾に通わせている保護者の皆様の中には、
「塾は掛け持ちしたほうがいいの……?」
「一つ目の塾のほかに、二つ目を考えていて……」
「掛け持ちするとしたら、どういう選び方をすればいい……?」
と、悩んでいる方も、いるのではないでしょうか。
塾の掛け持ちには、メリットとデメリットが存在します。その点を理解して、お子さんとよく話し合って決めることが、とても大切です。
今回は、こうした悩みをお持ちの保護者の皆様に向けて、塾の掛け持ちは可能なのか、塾を掛け持ちするメリットとデメリット、効果的に塾を掛け持ちするポイントや、おすすめの掛け持ちパターンについて、ご紹介します。
塾の掛け持ちはできるの?

基本的に、塾の掛け持ちは可能です。他の塾へ通うのを制限されることは、ないと思ってよいでしょう。
ただし、「掛け持ちOKなので、積極的に塾を掛け持ちしよう!」というわけではありません。
なぜなら、塾の掛け持ちはメリットばかりではなく、デメリットもあるためです。場合によっては、掛け持ちが勉強の妨げになってしまう可能性もあります。
むやみに塾を掛け持ちするのではなく、掛け持ちするメリットとデメリットを見比べて、慎重に考えることが大切です。
塾を掛け持ちするメリット

ここからは、塾を掛け持ちするメリットについて、ご紹介していきます。
複数のスタイルで勉強できる
塾を掛け持ちするメリットとして、さまざまな指導スタイルで勉強できる、という点が挙げられます。
勉強方法や指導方法は塾によって異なり、指導の強みや、得意な授業の進め方もさまざまです。
例えば予備校のように、講義スタイルの授業が得意な「集団指導塾」もあれば、個々人の苦手克服が得意な、「個別指導塾」もある、といった具合です。
集団指導塾は、講師一人に対する生徒数が多いものの、高品質な授業を受けることができます。対して個別指導塾は、マンツーマンに近い形で指導のため、個人レベルの細かいサポートが期待できます。
これらを併用すれば、「集団指導塾での勉強をメインとして、苦手については個別指導塾で補う」という、「いいとこ取り」が可能です。
このように、さまざまな指導スタイルで勉強できることは、お子さんの学習をサポートする、大きな助けとなります。
より効果的な学習ができる
塾を掛け持ちするメリットとして、より効果的な学習が可能になる、という点が挙げられます。
具体的には、教科や科目単位に特化した学習です。一つの塾でフォローしきれない内容も、もう一方の塾で学ぶことができます。
例えば、現在通っている塾は数学の指導が得意で、掛け持ちを検討中の塾は英語の指導が得意だとしましょう。この場合、両方の塾に通うことで、数学と英語、両方の成績をより大きくアップさせられます。
また、特定の教科が苦手な場合、追加でその教科が得意な塾に通うといった形で、塾を掛け持ちすることも可能です。
このように塾を併用することで、より効果的な学習を行える点がメリットといえます。
時間を効率よく使える
塾を掛け持ちするメリットとして、時間を効率よく使える、という点が挙げられます。
例えば、「最適な学習カリキュラムが整っている」と感じる、A塾があったとします。しかし、A塾が自宅から遠かったり、学校の帰りに行ける距離にない場合、平日に通うのは難しいですよね。
こうした場合、通塾しやすい距離にあるB塾が、掛け持ちの選択肢に入ります。平日は、通いやすい距離にあるB塾に通うことで、生活の中に塾を取り入れるのが簡単になるわけです。これは、「通いやすい距離で、自習室などの塾施設を使うことを目的とする場合」も、同様です。
このように、平日は通いやすいB塾に通いながら、土曜日や日曜日にA塾へ通うことで、効率よく時間を使うことができます。
塾を掛け持ちするデメリット

次に、塾を掛け持ちすることのデメリットについて、ご紹介します。
塾の時間が心身の負担になる
塾を掛け持ちするデメリットの大きなものとして、心身の負担になることが挙げられます。
具体的には、長時間の勉強や、通塾時間による疲労やストレスです。
そのため、塾の掛け持ちは、こうした疲労やストレスを感じやすい子には、あまり向いていません。無理をさせると、勉強における目的を達成できなかったり、学習意欲が低下する可能性もあります。
塾を掛け持ちする場合、お子さんにかかる負担については、十分な注意を払うことが大切です。
費用が負担になる
塾を掛け持ちする場合、それに応じて、家計における費用の負担が大きくなります。
なぜなら、入塾金や教材費、施設の維持費など、授業料の他にも、さまざまな費用が発生するケースがあるためです。
塾を掛け持ちする場合、予算と費用を事前に確認し、どの程度の負担になるかしっかり把握しておきましょう。
勉強のやり方に迷いが生じる
塾を掛け持ちすることのデメリットとして見落とされやすいのが、勉強のやり方について、お子さんに迷いが生じる、という点です。
塾によって指導方法が異なるため、「一つの問題に対して、解き方や指導方法が違う」というケースに、お子さんが遭遇する可能性があります。
この場合、お子さんが「どっちが正しいの……?」、「どっちを選べばいいの……?」と、混乱してしまうかもしれません。
塾を掛け持ちする場合は、こうした混乱をケアしてあげることが重要です。
効果的に塾を掛け持ちするポイント

ここからは、効果的に塾を掛け持ちするポイントについて、ご紹介します。
掛け持ちする目的をはっきりさせる
塾を掛け持ちする場合、まずは、目的をはっきりさせましょう。
一つ目の塾は何を目的に通っていて、掛け持ちするもう一つの塾は、どういう目的で通うのか。この点を、明確にします。
なぜなら、目的によって、通うべき塾の種類や、選び方、判断基準が決まってくるためです。
また、お子さん自身、塾に通う目的が明確であれば、勉強に向き合う姿勢も、より積極的になるでしょう。
子ども本人の意思を確認する
塾を掛け持ちする場合、本人の意思を確認することは、とても大切です。
なぜなら、塾に通うのは、お子さんだからです。保護者の方の一存で決めてしまったり、無理して通塾させると、大きなストレスを与えてしまいます。
お子さんとよく話し合い、塾を本当に掛け持ちするのか、「塾を掛け持ちしたい」という気持ちがお子さんにあるのかどうか、しっかり確認しましょう。
加えて、お子さんの趣味や、やりたいことをないがしろにしないよう、十分に注意を払うことが大切です。
負担が少ない通い方を考える
塾を掛け持ちする場合、お子さんの負担が少ない通い方を考えるのは、とても大切です。
通塾の方法はもちろん、授業のコマ数についても、必要以上に詰め込みすぎないよう注意しましょう。
詰め込み過ぎによって、予習復習といった自主学習の時間が取れず、かえって学習効率を悪くしてしまう可能性もあります。
お子さんの負担を考慮した通い方を考え、勉強を続けられる環境を作ってあげることが大切です。
おすすめな塾の掛け持ちパターン

最後に、塾の掛け持ちパターンとして、おすすめを3つご紹介します。
進学塾と個別指導塾の掛け持ち
掛け持ちの代表的なパターンが、進学塾と個別指導塾の掛け持ちです。
用途としては、進学塾を中心に受験対策を進める一方で、個別指導塾で疑問点の解消や、苦手をケアしていく、という使い分けになります。勉強を進めつつ、苦手なこと・わからないことをカバーしていく形です。
このようなパターンでは、異なる角度から総合的に、成績を向上させることができるでしょう。
教科ごとの掛け持ち
特定教科の指導に特化した塾を掛け持ちすることで、その教科の理解を、より深めることができます。
例えば、数学の指導に特化した塾と、英語の指導に特化した塾を、掛け持ちするといった形です。
このパターンは、より専門性の高い授業を、複数の教科で受けることを可能にします。
特化した塾同士を掛け持ちする以外に、総合塾との組み合わせも考えられるでしょう。特定の教科に特化した塾に通いつつ、他の教科は総合塾でカバーするといった形です。
指導形態ごとの掛け持ち
指導形態ごとに、塾を掛け持ちするというパターンもあります。
例えば、集団指導塾と個別指導塾を組み合わせることで、両方のメリットを受けることが可能です。質の高い授業ときめ細かいサポートの両方を受けることができ、異なる角度からの学習によって、効果を高めることができます。
他にも、オンライン指導塾で授業映像を視聴し、個別指導塾で疑問点を解消するというパターンもあります。
まとめ
塾の掛け持ちは、基本的に可能です。しかし、塾の掛け持ちにはメリットとデメリットがあり、慎重に考える必要があります。
塾を掛け持ちするメリットとしては、複数のスタイルで勉強できる、より効果的な学習ができる、時間を効率よく使える、といった点が挙げられます。
反対に、塾を掛け持ちするデメリットとしては、塾の授業が心身の負担になる、費用が負担になる、勉強のやり方に迷いが生じる、といった点です。
効果的に塾を掛け持ちするには、掛け持ちする目的をはっきりさせる、子ども本人の意思を確認する、負担が少ない通い方を考える、というポイントを押さえるとよいでしょう。
おすすめな掛け持ちパターンとしては、進学塾や個別指導の掛け持ち、教科ごとの掛け持ち、指導形態ごとの掛け持ち、が挙げられます。
塾の掛け持ちは、上手に活用することで、お子さんの成績を大きくアップさせることが可能です。今回ご紹介したい内容を参考に、お子さんとよく話し合って、塾の掛け持ちを検討してみてください。