
勉強が難しくなってきて、そろそろ高校受験のことも意識しないと……。こう考える中学生の皆さんや、そうしたお子さんを持つ保護者の方々にとって、塾をどうやって選べばいいのかというのは、大きな悩みです。
そして、塾選びにおいて最初に迷うのは、「集団指導塾と個別指導塾、どちらに通えばいいのか?」という点ではないでしょうか?
学力や勉強に対する意欲など、状況はお子さんによってさまざま。そんな中、集団指導塾と個別指導塾、どちらが向いているか迷っている保護者の方は、多くいらっしゃいます。
今回は個別指導塾の特徴やメリット、デメリットについて、集団指導塾と比較しながらご紹介します。
個別指導塾とは?

個別指導塾とは、講師とマンツーマン、もしくは比較的少人数の集団で授業を行う塾のこと。文字通り、個別に指導を行うことで、生徒一人一人にあわせた授業を受けられるのが特徴です。
マンツーマンでない場合も、それぞれの生徒が受ける授業の内容は異なります。例えば、ある生徒が講師の解説を受けている間、別の生徒は問題演習を行うといった進行となります。
生徒が先生から個別の指導を受けるのが、個別指導塾です。
集団授業塾との違い
個別指導塾と集団指導塾との大きな違いは、講師一人に対する生徒の人数と、授業の進行形式です。
これは、学校の授業をイメージしてもらえるとわかりやすいでしょう。集団指導塾は講師一人が、多くの生徒に向けて授業を行い、その人数は多いと数十人を超えることもあります。
進行の形式も学校に近いものとなり、大勢の生徒が一つの教室で同じ内容の授業を受ける形になります。
個別指導塾の特徴

個別指導塾には、集団指導塾にはない特徴が二つあります。その点についてご説明します。
一人一人にあわせたオーダーメイド授業
個別指導塾の大きな特徴が、授業内容を生徒一人一人にあわせてオーダーメイドできる点。
塾に通う目的は、生徒によってさまざまです。「定期テストの成績を改善する」なのか、「学習習慣をつけ直したい」なのか、「苦手科目を克服したい」なのか、「志望校合格に向けて高レベルの受験対策を行いたい」なのか、さまざまな目的があります。
その目的を達成するため、授業のカリキュラムを最適なものへカスタマイズできること、生徒一人一人のニーズに合った授業を受けられることが、個別指導塾の大きな特徴です。
マンツーマンや少人数での授業スタイル
個別指導塾は、少人数での授業スタイルである恩恵を、大きく受けられます。
一人一人の生徒の理解度を確認しながら授業を行うため、お子さんがしっかり授業の内容を理解してから、先に進むことができます。なので、曖昧なまま進むことなく、身につく学習の時間とすることが可能です。
また、授業中は講師が常にそばにおり、わからないことが出てきたとき、すぐに質問することができます。
授業に生徒がついていくのではなく、生徒にあわせて授業が進行する。こうした特徴を持つのが、個別指導塾です。
個別指導塾のメリット

次に、個別指導塾のメリットについてご説明します。
自分の得意・不得意にあわせられる
先述したように、個別指導塾のメリットの大きなものの一つが、生徒一人一人のニーズにあわせた授業が受けられること。
基礎を勉強し直すことから、苦手科目の克服、具体的なテストの目標点、受験対策まで、目的はさまざま。
目的のために、その子専用の授業を行います。そのため、授業の速度に追いつけなかったり、疑問点が残ったまま次の内容に進むといった心配がありません。
勉強が苦手であったり、「勉強をしたい、成績を上げたいと思っているのに、何をすればいいかわからない」という子、特定の科目だけ克服したいという子は、個別指導塾に通うメリットをより多く実感できるでしょう。
ライフスタイルにあわせて通える
ライフスタイルにあわせて、授業のスケジュールを柔軟に調整できるのも、個別指導塾に通うメリットです。
部活や習い事、家庭の都合など、時間的な制約がある場合でも、柔軟に授業日程を組むことができる点は、通塾する中で大きな助けとなります。
もし体調不良などの事情により塾を休むことがあっても、その分の授業を振替えてもらえる場合があり、授業料のロスが出づらいのもポイント。
このように、ライフスタイルにあわせた通塾が行えるのは、決められた曜日、時間帯に通う必要がある集団指導塾とは、明確に異なる特徴です。
先生とのコミュニケーションが取りやすい
先生との距離が近く、コミュニケーションを積極的にとりやすいのも、個別指導塾のメリットです。
質問や相談がしやすく、わからないことがあっても気軽に聞くことができます。また、生徒一人一人の理解度や苦手な部分を講師が把握しているため、都度サポートを受けながら、理解を深めていくことができます。
このように、生徒側・講師側の両面から、密なコミュニケーションをとることが可能です。
モチベーションを維持しやすく、学習効果の高い授業を受けることが可能という点は、個別指導塾の特徴です。
個別指導塾のデメリット

個別指導塾には、メリットばかりではなく、デメリットも存在します。下記の点を踏まえて、検討してみましょう。
費用が割高になる可能性がある
個別指導塾は、集団指導塾に比べて費用が割高になる傾向があります。これは、対応する人数の違いによるものです。
費用については、それぞれの塾によって大きな差が出るものとなっています。この点については、入塾を考えている塾に、問い合わせて確認してみると良いでしょう。
競争意識が生まれにくい
個別指導は、その形態上、競争意識が生まれにくいというデメリットがあります。集団指導塾のように、仲間との競い合いが発生しにくいのです。
そのため、目的意識を明確にしたり、競争以外にモチベーションを維持し、刺激できる方法を持っておくと良いです。
反対に、競争意識がモチベーションの元になる子の場合、個別指導塾は不向きです。そうした子の場合、他の生徒との関係が強くなる集団指導塾も検討してみましょう。
個別指導塾に向いている子

個別指導塾は、以下のような子に向いていると言えます。個別指導塾の特徴にマッチしており、こうした子の場合、集団指導塾よりも個別指導塾の方が、大きな効果を得やすいでしょう。
控えめで質問を遠慮しがち
大人数がいる空間で質問を遠慮しがちな控えめなお子さんは、個別指導塾が向いています。講師との距離が近く、マンツーマンか少人数での授業となるため、質問のハードルを大きく下げることができます。
「学校の授業についていくのが難しい」と感じている
個別指導塾は、勉強の基礎的な部分に不安があり、授業についていくのが難しいと感じている子に向いています。お子さんの理解度にあわせた進行ペース、カリキュラムの設計を行うため、大きな効果を発揮します。
苦手科目だけをピンポイントで克服したい
学習意欲があり、苦手科目を集中的に克服したい場合も、個別指導塾は向いています。苦手科目を克服する、オーダーメイドのカリキュラムを組むことができるためです。
部活で忙しいため、効率的に勉強したい
限られた時間で効率的に勉強したい場合も、個別指導塾は向いています。少人数で密度の高い授業を受けられるためです。
まとめ
個別指導塾は、集団指導塾と異なり、マンツーマン、もしくは少人数での授業が大きな特徴です。
少人数であるからこそ、オーダーメイドのカリキュラムを組み、お子さんの理解度にあわせた授業を行うことができます。
そのため、「基礎力に不安がある」という子には、個別指導塾が向いていると言えます。「塾の授業についていけるか不安」という子にも安心で、理解度にあわせた授業を受けることができます。
また、「苦手科目だけを克服したい」、「時間を確保するのが大変なので、効率的に勉強したい」、こういった理由がある場合も、個別指導塾が効果的。時間を効率的に使えます。
集団指導塾と個別指導塾、それぞれに特徴、メリットとデメリットがあります。それらを総合的に判断して、お子さんに最適な塾を選びましょう。