
皆さんは、「塾を辞めたい」と悩んだことはないでしょうか?
「成績が思うように上がらない」、「講師や塾の方針が、自分と合わない」、「部活や習い事との両立が難しい」
塾を辞める理由は人それぞれですが、勢いで決断してしまうと、後悔することもあります。
今回は、「塾を辞めたい」と感じている塾生さんや、そういった相談を受けた保護者の皆様に向けて、「塾を辞める前に、どんなことを考えておくべきか?」ついて、ご紹介します。
加えて、塾を辞めても問題ないケースや、塾を辞める前に考え直すべきケース、塾を辞める際の注意点についても解説します。
塾を続けるべきか、それとも辞めるべきか、悩んでいる方は、ぜひ参考にしていただけたらと思います。
塾を辞める前に考えるべきこと

まずは、塾を辞める前に、事前に考えておいた方がよいことについて、ご紹介します。
改善できる点はないか
塾を辞める前に、塾に対する姿勢に改善できる点がないか、考えてみましょう。
具体的には、学習態度や、学習意欲についてです。
「塾や勉強そのものに対するモチベーションが下がっている」、「保護者の意思だけで塾に通わせている」といった部分が、塾を辞める理由になっていないか、チェックしてみましょう。
原因を探し、モチベーションを上げる方法や、きっかけを見つけることで、塾を辞めてからの後悔を、予防しやすくなります。
他の選択肢はないか
塾を辞めずに対応できる選択肢がないか、考えてみましょう。
具体的には、コースやカリキュラムの変更などが挙げられます。また、他の塾に通う、いわゆる「転塾」をすることで、環境を変えつつ、塾という学習の場そのものは、キープするという方法もあります。
もし塾を辞めるとしても、次の塾や、その代わりとなる勉強のやり方を見つけてからでも遅くはありません。この点を、覚えておけるとよいですね。
辞めた後の学習に影響はないか
辞めた後の学習に影響はないか、一度考えてみましょう。
例えば、
- 学習計画は一人で組めそうか?
- 成績や受験への影響は、どの程度ありそうか?
- 辞めたとして、わからないことは今後どうやって解決していくのか?
といった点です。
特に、受験を控えている場合には、塾を辞めることそのものにリスクがあります。そのため、辞めた後の学習に影響はないか、よく考えておくことが大切です。
塾を辞めても問題ない理由のパターン

次に、塾を辞めても問題ない理由のパターンについて、ご紹介します。
塾の方針と自分の目的があわない
塾の方針と自分の目的が合致しない場合、塾を辞めても問題ありません。
なぜなら、塾の方針と目的が一致していない場合、十分な学習効果を得るのが難しいためです。
例えば、「学校の授業についていくことを目的に塾に通ったのに、授業のレベルが高く、難しすぎる」という場合や、「難関校の合格を目的にしているのに、主な授業は学校の復習だった」といった場合が挙げられます。
こうした場合、早い段階で塾を辞め、自分の目的にあった塾を選び直すことをおすすめします。
講師との相性がよくない
講師との相性が良くない場合、塾を辞めても問題ないでしょう。
なぜなら、講師との相性の悪さが、学習意欲の低下を招く可能性があるからです。そうした状態では、十分な学力を引き出すのは難しいでしょう。特に個別指導の場合、この傾向は顕著に現れます。
ただし、担当講師の変更をリクエストすることで対策できる場合もあるので、塾を辞める前に、一度相談してみてもよいでしょう。
環境や人間関係によるストレス
塾の環境や人間関係によるストレスが大きい場合、辞めることを検討してもよいでしょう。
例えば、授業への積極的な参加がルール化されていたり、テストの結果が掲示される場合、こうした空気をストレスに感じる場合があります。
また、塾生間でのヒエラルキーのようなものを感じ取り、人間関係のストレスを抱えてしまう場合もあります。
ストレスが強い環境下で十分な学習効果を上げるのは難しいため、無理して続ける必要はありません。より良い環境の塾を、選び直すことをおすすめします。
塾を辞める前に考え直すべき理由のパターン

続いて、塾を辞める前に一度考え直してから、判断した方がほうがよいパターンについて、ご紹介します。
部活との両立ができない
塾と部活の両立ができないと感じている場合、塾を辞める前に、一度考え直してから判断するとよいです。
なぜなら、塾へ通う日数を減らしたり、曜日を調整したりすることで、両立できる場合があるからです。
そのため、塾を辞める前に、両立する方法がないか、塾に相談してみるとよいでしょう。
成績が上がっていない・上がらない
成績が思うように上がっていない・上がらないときは、塾を辞める前に一度、その原因について考えてみるとよいです。
塾に通っているのに成績が上がらない場合、そこには何かしらの原因があります。その原因を解決しない限り、塾を辞めても、成績の向上を期待するのは難しいかもしれません。
- 前向きな気持ちで、勉強に向き合えているか?
- 自主学習の時間は、十分取れているか?
- 学校の授業を、真面目に受けているか?
- 学校の宿題に、きちんと取り組んでいるか?
上記をチェックし、自分の勉強に取り組む姿勢や、時間の使い方を、一度見直してみましょう。
受験する学年である
受験する学年である場合、塾を辞める前に、よく考えてから退塾を決めましょう。
受験前に塾を辞めることは、試験当日までの学習計画に、支障をきたす可能性があります。そのため、受験学年に塾を辞めることに一定の危険がある、という点は覚えておくべきです。
塾を辞める決断は、今後の学習計画や試験対策について、見通しが立った状態で行うことが大切です。
塾を辞める場合の注意点

最後に、塾を辞める際に気を付けたい、注意点についてご紹介します。
返金が難しい場合もある
塾を辞める際、そのタイミングによっては、返金が難しい場合があります。
もし、料金をまとめて先払いしている場合は、一部返金を受けられるかもしれません。ただし、先払いした分を満額返金してもらうのは難しいかもしれないので、この点、留意しておく必要があります。
返金については、前もって契約内容を確認し、返金に関するポリシーを理解しておくことが大切です。
塾には退塾が確定するまで言わない
塾を辞めることを検討しているとき、退塾が確定するまで、その意向を言わないようにしましょう。
なぜなら、あいまいな状態で「辞めたい」と伝えてしまうと、強い引き止めにあったり、今後の授業を受けづらくなってしまう場合があるためです。
最低でも、
- 塾をいつ辞めるのか
- 塾を辞めた後、どのように勉強していくのか
を明確にしてから、塾に退塾の意向を伝えましょう。それまでに、保護者の方とよく話し合っておくのも重要です。
ただし、塾に退塾を伝えるのが遅くなると、退塾のタイミングがずれたり、支払った料金の返金額が変わる場合があります。この点は気を付けておきましょう。
退塾を伝えるタイミング
退塾を伝えるタイミングとしては、契約書に記載されている規約に従うことが大切です。多くの場合、毎月何日までに退塾の意向を伝えてほしいか、契約書に記載があります。
もし記載がない場合は、「退塾の意向が決まってから、翌月の引き落としまでの期間」を目安にするとよいでしょう。引き落とし日の2週間ほど前までに伝えておけば、余裕をもって手続きに入れます。
適切なタイミングで退塾を伝えることによって、不必要な支払いを避けることが可能です。
退塾を伝える方法
退塾を伝える方法については、電話がおすすめです。
なぜなら、対面することなく、退塾の意思を伝えやすいからです。退塾は引き止められることも多く、直接顔をあわせた状態だと、その意思を伝えづらくなります。
他の方法として、塾に直接訪問したり、メールなどでも構いません。しかし、非対面のままその場でやり取りができるメリットは大きいため、退塾の意思は電話で伝えるのがおすすめです。
もし退塾に関して、退塾届などが必要であったり、退塾を伝える方法が指定されていることがあれば、それに従いましょう。
塾を辞めた後の環境を整えておく
事前に、塾を辞めた後の学習環境を整えておくのは、とても大切です。
勉強そのものから離れるわけではないため、その後の勉強をどうするか、プランを持っておきましょう。
- 転塾する
- 家庭教師から指導を受ける
- 通信教育や、アプリで学習する
- 自主学習の計画を、事前に作っておく
- 自主学習のルールを決めて、前もって実施し始める
など、塾を辞めた後に必要な、塾の代わりとなる学習環境を作っておくことが大切です。
まとめ
塾を辞めてもいいか迷っている場合、辞める前に考えるべきことがあります。
辞めてから後悔しないために、塾に対する姿勢で改善できる点はないか、塾以外に学習の場を作る選択肢はないか、辞めた後の学習に影響はないかという点を、チェックしてから辞めることが大切です。
反対に、塾の方針と自分の目的が合わない、講師との相性が良くない、環境や人間関係によるストレスが大きい場合は、塾を辞めてしまっても問題ないでしょう。
もし、部活との両立ができない、成績が上がっていない・上がらない、受験する学年である場合、塾を辞める前に、一度考え直してみてください。
こうした場合は、塾に通いやすくなるように調整したり、改善したりできる可能性があります。
もし塾を辞める場合は、費用の返金が難しい場合がある、塾には退塾が確定するまで言わない、塾を辞めた後の学習環境を整えておくといった点に注意しましょう。
塾を辞めるという判断は、慎重に行うべきです。そのため、今回ご紹介した内容を参考に、後悔のない選択をしていただけたらと思います。