
お子さんの塾について検討するとき、保護者の皆様が気にされる大きなポイントとして、費用の相場があると思います。
そして、塾の費用として真っ先に思い浮かぶのが、授業料ですよね。
しかし、塾の勉強で必要な費用は、授業料だけではありません。入塾時に発生する費用や、模試やテストの費用、季節講習の費用など、授業料に加えてさまざまな費用が発生します。
入塾後に、「思ったより費用がかさんで、家計が苦しい……」と困ることがないよう、そうした費用をきちんと確認しておくことと、その判断をするために相場観を知っておくことは、とても大切です。
今回は、お子さんを塾に通わせたいと考えている保護者の皆様に向けて、塾の月額授業料の相場や、授業料とは別で発生する費用、年間にかかる費用の相場について、お話します。
塾にかかる費用とは?

「塾にかかる費用」という言葉からは、まず授業料が連想されるでしょう。そして、「授業料を毎月支払う」というイメージをお持ちの方も多いと思います。
「授業料を毎月支払う」というのは誤りではありませんが、十分とはいえません。なぜなら、塾の費用は授業料だけでなないためです。
授業料以外の費用としては主に、
- 夏期講習や冬期講習などの季節講習費用
- 入会金や入塾金
- 模試やテスト費用
- 教材費
- その他経費など
などが挙げられます。
今回は、これらについて詳しくご紹介します。まずは、塾の月額授業料費用の相場に関する詳細から見ていきましょう。
集団指導塾と個別指導塾の月額費用相場

塾には大きな二つの分類があります。それが、「集団指導塾」と「個別指導塾」です。
それぞれ、授業の形式によって分かれており、それぞれにメリット、デメリットがあります。
- 集団指導塾……講師一人が多数の塾生に対して授業を行う形式
- 個別指導塾……講師一人が少数の生徒に対し、もしくはマンツーマンで授業を行う形式
まずは、この二つの塾について、月額授業料がどのように異なるのかご紹介します。
集団指導塾
集団指導塾の月額授業料の相場は、10,000円~20,000円ほど。
個別指導塾と比較した場合、集団指導塾は料金が安価になる傾向があります。
なぜなら、集団指導塾は一人の講師が多人数の生徒に並行して授業を行うため、講師一人あたりの指導効率が良く、コストパフォーマンスに優れるためです。それが、価格にも現れているといえます。
この相場の費用に対して、お子さんの学年や1回あたりの授業時間といった運営側のシステムと、受講するコマ数、カリキュラム・コースなどの塾生側の希望などが加わり、実際の費用が算出される形です。
個別指導塾
個別指導塾の月額授業料の相場は、15,000円〜35,000円ほど。
ここから学年、授業時間、受講するコマ数やカリキュラム・コースなどが影響し、月額授業料が上下します。
集団指導塾と比較した場合、個別指導塾は相場の振れ幅が大きくなる傾向です。これは、個別指導のスタイルがマンツーマンから一対複数まで複数のパターンがあり、また、講師の質も、プロ講師から学生アルバイトまで幅があるためです。
相場に開きがあるのは、学力や希望する指導に応じた、広い選択肢の現れだといえるでしょう。
夏期講習や冬期講習などの費用相場

定期的に通う塾だけでなく、夏期講習や冬期講習といった、季節講習にも参加する場合、それぞれに別途費用が必要です。
季節講習の費用相場は、およそ20,000〜100,000円。もし、ここに春期講習も含んだ場合、すべて通うと年間で60,000~300,000円の費用が発生することとなります。
かなり幅がありますが、これは、各季節講習の授業回数の違いや、学年によって費用が大きく変動するため。また、集団指導塾と個別指導塾における季節講習の費用を比較した場合、集団指導塾の方が20%ほど安価となる傾向です。
季節講習の費用の基本的な考え方として、受験学年(小6、中3、高3)の受講料は、他の学年と比べて高くなる傾向があります。
なぜなら、その学年に受験対策を行うためです。受験対策のために実施される夏期講習は専門性が高く、授業の回数も多くなります。その傾向は低学年であるほど強く、小学6年生がもっとも高額に、高校3年生はもっとも安価です。
受験の成功に大きな影響を与える季節講習は、合格を強く意識するなら。積極的な受講が推奨されます。相場と見比べて、受講を検討してみましょう。
授業料以外のその他費用

塾に通うことで発生する費用は、ここまでお話してきた、授業料と季節講習費用だけではありません。ここからは、その他の料金についてもお話していきます。
入会金や入塾金
多くの場合、塾は入会金や入塾金といった費用が設定されています。その相場は、およそ10,000〜30,000円。おおよその場合、20,000円前後となるでしょう。
ただし、入会金や入塾金は、その塾が実施するキャンペーンによって、減額されたり、全額免除されやすい費用でもあります。
模試やテスト費用
模試を受験したり、塾で実施されるテストを受ける際は、その費用が発生します。費用体系からして異なる場合も多く、あらかじめ授業料に含んでいる塾もあれば、申し込みのたびに費用が発生する塾もあります。
相場観としては、月額の場合は1,300円程度、都度費用が発生する場合は5,000円程度です。
受験を意識する場合、定期的な学力の把握に欠かせない模試は非常に重要です。そのため、模試やテスト費用がどのような費用体系で、積極的に受けられる金額かどうかは、チェックしておくとよいでしょう。
教材費
教材費は、塾で使用するテキストや問題集を購入する費用のこと。
元から授業料に含まれている場合もあれば、都度購入する場合、また、そもそも指定の教材がなかったりと、塾によってバラバラです。
月謝とは別に支払う場合、その相場は、年間で約5,000~10,000円ほどが目安となります。
その他でかかる費用
毎月数千円発生する「設備維持費」や「教室維持費」といった名目の費用のほか、通塾のための交通費などについても、勘定に入れておくことが大切です。
ここまで挙げてきた費用は塾に問い合わせることで、交通費は通塾方法から計算することで、確認ができます。
これらを合算した金額が年間費用の相場と比べてどうか照らし合わせることで、費用と相場を比べることが可能です。
年間でかかる費用合計は?

では、これまでご紹介してきた授業料とそれ以外の費用を合算したとき以下のようになります。
指導方法 | 年間費用合計の相場 |
---|---|
集団指導塾 | 200,000〜400,000円 |
個別指導塾 | 300,000〜500,000円 |
集団指導塾は個別指導塾と比べて、費用が安価な傾向があります。それが、相場の差にも現れています。
ただし、塾選びにおいて重要なのは、値段の高さ・安さではなく、通う本人、お子さんの学力や性格にマッチした塾であることです。
こうした相場の違いがあることを知った上で、お子さんにとって最適な塾を探してみましょう。
まとめ
塾の費用を考える際は、授業料以外の費用にも注意を払うことが大切です。入会金や教材費、季節講習の費用のほか、施設維持費なども発生する点は、留意しておきましょう。
また、授業料に関して、どの程度発生するのかわからなかったり、検討している塾の具体的な金額を知りたい場合は、公式サイトなどでシミュレーションすることも可能です。ぜひ、試してみてもらえたらと思います。他にも、塾に直接問合せしてみるのも、確実な方法だといえます。
お子さんが塾に通い、勉強を継続していく上で、そこに発生する費用はとても重要です。
「想定した予算と大きくずれてしまって、家計が苦しい……」と困ることがないよう、事前によく確認しておきましょう。