
「塾を変えたほうがよいかな……?」という疑念を、感じたことはありませんか?
塾に通っている生徒さん、もしくは、お子さんを塾に通わせている保護者の皆様にとって、成績に変化がなかったり、講師との相性がイマイチなどの理由から、塾の変更、つまり「転塾」を考えている方はいるのではないでしょうか。
しかし、転塾というのは、成績に関わる大きな決断。失敗しないために、本当に塾を変えるべきか見極め、適切なタイミングで実行することが大切です。
今回は、転塾を迷っている方に向けて、どんなときに塾を変えたほうがよいのか、注意しておきたいタイムリミット、ベストタイミングはいつか、転塾先を選ぶときのポイントについて、ご紹介します。
塾を変える必要があるのはどんなとき?

まずは、どのような場合に塾を変えたほうがよいのかについて解説します。転塾するべきか迷っているときは、以下の4つのポイントを確認してみてください。
成績や学力がなかなか向上しない
塾に通っているにもかかわらず成績や学力がなかなか向上しない場合、授業のスタイルや指導内容があっていないことが考えられます。
授業のスタイルとは、「個別指導」や「集団指導」といった、授業の進行形式のこと。指導内容というのは、「難関校の受験対策に特化」であったり、「学校の授業内容を復習して学校へ対応」といった、塾の方針です。
ここが生徒とミスマッチを起こしている場合、勉強しても効果が出にくい場合があります。
ただし、生活習慣や学習態度など、生徒側に改善すべき点がある場合は要注意。こういった場合は、塾を変えても大きな成果を期待できない可能性があります。
講師や塾の環境とあわない
講師との相性が悪かったり、授業がわかりづらいといった場合や、塾の学習環境と合わない場合、塾を変えることによって成績が向上する可能性は高いでしょう。
また、自習室に講師がついていないことが原因で、わからないことを授業外で解決できないといったことも、環境に要因があるケースとして考えられます。
現在通っている塾そのものに原因があるケースなので、あてはまる場合は転塾をおすすめします。
通塾目的と塾の方針があわない
塾に通う目的と塾の指導方針があっていない場合は、早い段階で転塾を検討しましょう。
例えば、「定期テストの成績を上げたい」という目的を持っているのに、「難関校受験に特化した塾」に入ってしまうと、期待通りの成果を出すのが難しくなります。塾に通う目的と塾の方向性が、ズレてしまっているためです。
そのため、塾に通う目的と現在通っている塾の指導方針が合わないと感じているときは、早めに転塾を検討したほうがよいでしょう。無理をして通い続けても、期待通りの成績向上が難しいためです。
状況や環境が変わった
当初の目標よりも高偏差値の学校を目指したくなった場合や、勉強のペースを上げたい場合、反対にペースを落としたい場合などには、今の塾に通い続けるのか見直す必要があるでしょう。
志望校が変わったり、勉強よりも部活を優先したい気持ちが強くなったりと、入塾時と現在の状況や環境が変化することがありますよね。
このような場合、現在の状況や環境にあわせて、転塾を検討してみるとよいでしょう。
受験前の転塾は受験1年前までに!

中学受験、高校受験、大学受験、いずれの場合も、受験本番の1年前までには、転塾を済ませておくようにしましょう。塾を変えた後、新しい塾の環境や授業に慣れるまでには、ある程度の時間が必要だからです。
逆を言えば、受験を目的とした場合、1年前までには自分の目的にマッチした塾を探しておくことが大切です。そうした塾を、受験生になる前から見つけられるのが理想的ですね。
塾を変えるベストタイミングはいつ?

転塾を検討するとき、「いつ塾を変えるか?」というタイミングも、意識したい重要なポイント。塾を変えるベストタイミングは2つあるため、それぞれについて解説します。
学年が変わる時
学年が変わる時は、塾を変えるベストタイミング。新学年が始まる時期に入塾する生徒は多く、ほかの生徒と同じスタート地点から学習を始めることができます。
また、同時期に入塾する生徒が多いため、塾の環境や人間関係に早く馴染めるでしょう。
学期が変わる時
学期が変わる時も、塾を変えるベストタイミングです。1学期から2学期、2学期から3学期と、長期休暇を挟むタイミングは、転塾に適しています。
また、長期休暇を挟むタイミングでは、季節講習がある点もポイントです。季節講習は多くの場合、その塾に入らずとも、講習単体で受講できます。
入塾前に夏期講習や冬期講習といった季節講習を受けることで、転塾先の雰囲気を実際に体験しておけるのも、大きなメリットです。
塾を変えるときのポイント

転塾は有効に活用できると大きな成果があります。しかし、塾を変えたにもかかわらず、思ったような効果が出ないといった場合もあります。
次は、転塾を後悔しないために、気をつけておくべきポイントをご紹介します。
保護者と子どもでよく話し合いをする
保護者の皆さんに気を付けていただきたいのが、「お子さんと良く話し合ったうえで転塾を決める」ということ。
お子さんのことを想った行為だとしても、親の判断だけで転塾を決めてしまうのは、避けたほうがよいでしょう。
勉強、特に受験はお子さんの将来に大きく関わりますし、塾に通う費用を出しているのは保護者の皆さんなので、お子さん以上に塾選びに熱心になってしまう場合もあります。しかし、実際に塾に通い、学習に取り組むのはお子さん自身です。
お子さんの意志を無視した転塾は、学力向上につながらなかったり、学習意欲そのものを失わせてしまう場合があります。
塾の変更を検討する場合は親が勝手に決めたりせず、よく話合ったうえで、お子さんの意志を尊重することが大切です。
転塾する目的をはっきりさせる
塾を変える場合、目的をはっきりさせておくことは、とても大切です。
現在通っている塾に抱いている不満や改善したい点がはっきりしていれば、それをもとに、転塾の目的を明確にすることができます。
それによって、転塾先を検討する際に、塾のどこを見ればよいのかが鮮明になるでしょう。塾先を選ぶ際の迷いを減らすことができます。
「今の塾にどんな不満があるか?」、「転塾先の塾はそれをどのように解決してくれるのか?」という質問に答えられる状態ならば、転塾先はとても選びやすくなります。
塾に求めている成果と適正を踏まえて選択できると、転塾の成果をより出しやすいでしょう。
授業形態があっている塾を選ぶ
授業形態が自分にあっている塾を選ぶのも、重要なポイント。自分の特性や目的に合った転塾先を選ぶことで、学習効果をより大きくできます。
授業形態は大きく分けて、
- 個別指導
- 集団指導
- オンライン授業
の3つがあります。
それぞれ以下のような特徴があり、どのようなタイプの生徒に向いているか、どのようなタイプの生徒が向いていないのかが分かれます。
個別指導
個別指導は、一人の講師が少数もしくは一人の生徒に対して個別に授業を行う形式。
質問がしやすく、生徒ごとに個別のカリキュラムを組んでもらえるため、苦手の克服や、生徒一人一人に向き合う形式の指導を希望する場合に向いています。
しかし、集団指導のような連帯感や、生徒間の競争意識というものが生まれにくい傾向にあります。
集団指導
集団指導は、一人の講師が多数の生徒を担当し、生徒が全員同じ授業を受ける形式。学校の授業をイメージしてもらえると、わかりやすいでしょう。
仲間との競い合いや連帯感が、モチベーションアップにつながる生徒に向いています。
反面、大人数がいる教室で質問するのが苦手という生徒には不向きといえるでしょう。
オンライン授業
オンライン授業は、パソコンやタブレット、スマートフォンを使って、インターネット上で講義を受ける形式。住んでいる場所に関係なく、一流講師の授業を受けられる点が特長です。
基礎がしっかりできており、そのうえで難関校を目指したい場合に向いています。
また、通塾時間を省略できるため、部活と勉強の両立にも向いています。
デメリットとしては、対面形式の授業に比べて質問がしづらく、疑問点をその場で解決しづらい点が挙げられます。
まとめ
転塾の必要性を感じたときは、今、本当に塾を変える必要があるのかを確認し、最適なタイミングで新しい塾に入るのがベストです。
学力・成績といった塾の効果を感じられないときや、講師や塾の環境が合わない・通塾目的と塾の方針がズレてしまっているときに加え、塾に通う状況や環境が変化したときが、塾の変更を検討できるシチュエーションです。
ただし、受験を目的とした転塾の場合、受験本番の1年前までには、転塾を済ませておくようにしましょう。
ベストタイミングとしては、学年や学期がかわる時。事前に夏期講習や冬期講習を受けられると、入塾前に雰囲気をつかめるためより良い転塾にできるでしょう。
また、親子でよく話し合って決める、目的をはっきりさせる、授業形態があっている塾を選ぶといったポイントに注意して、成果を出せるように塾を変えることが大切です。