
「塾の授業についていくのが難しい……」と、お子さんから相談されたり、振る舞いから「もしかすると今、塾の授業に、ついていけてないのかも……」と感じると、親としては心配になりますよね。
そして、もしできることなら、現状を打開するため、お子さんをサポートしてあげたくなるでしょう。
こうしたときは、お子さんとよく話し合い、「授業についていけないと感じている原因」を、はっきりさせることが大切だといえます。
なぜなら、原因を明らかにした後、保護者として適切なサポートを行うことで、お子さんの状況を打開できるためです。
そこで今回は、「子供が塾に通い始めたものの、授業についていけない」、「子供が、塾の授業についていけなくなった」という悩みをお持ちの、保護者の皆様に向けて、なぜ塾の授業についていけないのかと、塾の授業についていけないときの対処法についてお話します。
なぜ塾の授業についていけないのか?考えられる原因

なぜ塾の授業についていけないのか、ついていけなくなってしまうのか、考えられる原因をいくつかご紹介します。
授業のレベルとお子さんのレベルがあっていない
お子さんの現在の学力よりも、塾の授業レベルが高すぎる場合、授業についていけないことがあります。
例を挙げると、扱う問題が難しすぎたり、授業の進行速度が早すぎたり、宿題が多すぎるといったケースです。
特に集団指導塾において、授業レベルの不一致による影響は、大きく現れます。なぜなら、集団指導塾では一人の講師が多数の生徒を指導するため、個々人の理解度にあわせた指導が難しいからです。
こうした塾に通い続けてしまうと、成績向上が望めないだけでなく、勉強に対する自信や、モチベーションを失うことにつながってしまいます。
授業や勉強に消極的
塾の授業や、勉強そのものに対して消極的である場合、授業についていくのが難しくなるかもしれません。
成績を上げるなら、学習した内容を定着させる取り組み方が大切です。塾の授業だけでなく、予習や復習といった、自主的な学習が求められます。
そうした姿勢が欠けている場合、授業についていくのが難しくなるでしょう。
わからないところを放置している
学校や塾の授業でわからない所を放置している場合、徐々についていけなくなってしまう場合があります。
なぜなら、勉強というのはレンガのように、土台を積み上げていくものだからです。
わからないまま放置したところは、不安定な土台としてそのまま残ります。それにもかかわらず授業は進んでいくため、不安定な土台の上に、新しいレンガを積み上げることになってしまいます。
そのため、回を追うごとに授業でわからないことが増え、ついていくのが難しくなっていくでしょう。それを放置してしまうことで、さらに授業についていけなくなります。
こうした理由から、わからないところを放置することは、授業についていけなくなる悪循環の原因となりえます。
塾のフォロー体制が整っていない
塾の授業についていくのが難しくなる原因として、塾のフォロー体制が整っておらず、勉強に関する塾生へのサポートが、不十分であることが挙げられます。
授業の理解に関して、塾側のフォローが不十分だと、学習効果を十分に発揮するのが難しいことがあるためです。
具体例として、以下のようなものが挙げられます。
- 授業後に、十分な質問ができる時間が設けられていない
- わからない問題を質問しても、理解できるまで付き合ってもらえない
- 塾生の数が多すぎて、質問できる機会が少ない
授業についていくのが難しい場合、このような点が原因である可能性も考えられます。
塾の授業についていけない場合の対処法

次は、塾の授業についていくのが難しい場合の、対処法についてご紹介します。
塾や講師に相談する
お子さんが、塾の授業についていけない、ついていくのが難しい状態であるときは、保護者の方から塾へ、その現状を伝え、フォローをお願いしてみましょう。
具体的なアドバイスがもらえたり、現在の状況を塾と共有することで、授業中に配慮やサポートを受けられる可能性もあります。
もし、授業について不安なことがある場合、まずは落ち着いて、塾に相談してみてください。
お子さんのレベルにあったコースに変更する
現在、お子さんが塾の授業についていくのが難しいと感じている場合、現在の学力レベルにあったコースへ変更することを検討してみましょう。
なぜなら、適切なレベルの授業を受けることが、学力の向上には大切だからです。
無理に現在のコースで授業を受けるよりも、授業のレベルを下げ、一つずつ「わかる」を増やしていくことから始めましょう。それが勉強の挽回や、その先の成績向上につながります。
わからないところから復習する
塾の授業についていくのが難しいときは、わからないところから復習することが大切です。この点を、お子さんにアドバイスしてみましょう。
なぜなら、わからないところをそのままにしていると、それを利用する他の問題も、理解できなくなってしまうからです。これを放置してしまうと、授業が進むごとにわからないところが増える、悪循環に入ってしまいます。
そのためにも、まずはどこがわからないのかを明確にし、一つ一つ復習していくことが大切です。これが、基礎力につながっていきます。
加えて、復習が習慣化されることによって、授業の内容をよりスムーズに理解できるようになるでしょう。
積極的に質問する
塾の授業についていくのが難しい場合、講師へ積極的に質問するよう、お子さんにアドバイスしてみてください。
積極的な質問は、授業や勉強に関する疑問点の解消と、勉強に対する自信の獲得という、二つの面で役立ちます。
授業でわからないことがあったとき、すぐに質問してみる。そこでわからない問題を解決した、「できる」という体験が、勉強に対する自信につながっていきます。
加えて、どこまで授業を理解できていて、どこに苦手が隠れているのかを、講師に伝える効果もあります。お子さんの理解度がより明確に共有されることで、今後のフォローも期待できるでしょう。
お子さんにあった塾に変更する
お子さんにあった塾に変更すること、いわゆる「転塾」をするのも、塾の授業についていくのが難しいときに、有効な方法の一つといえます。
なぜなら、授業のスピードやフォローの体制は塾によって異なるからです。
コースやカリキュラムの変更だけで対処できる幅には、限界があります。そうした場合に、候補となる選択肢といえるでしょう。
また、集団指導塾で授業についていくのが難しかった場合は、個別指導塾に変更するというのもおすすめです。個別指導塾は、「授業そのものを塾生にあわせることができる」という特徴があるため、「授業についていけない」という現象を防ぐことができます。
ただし、転塾は慎重に行う必要があります。新しい環境に慣れるまでの時間がかかったり、転塾先の塾の授業についていけなくなる危険性はないかなど、留意すべき点が多くあるからです。
転塾先として気になる塾がある場合は、必要に応じて体験授業を受けてみるとよいかもしれません。ぜひ、検討してみてください。
まとめ
お子さんが塾の授業についていけないとき大切なのは、その原因を知り、保護者として適切なサポートを行うことです。
塾の授業についていくのが難しいとき、授業のレベルとお子さんの学力の不一致、授業や勉強そのものに対して消極的、わからないところをそのまま放置している、塾のフォロー・サポート体制が整っていないといった原因が考えられます。
対処法としては、積極的に質問したり、わからないことから復習する、といった点をお子さんにアドバイスしてみるのがよいでしょう。
また、直接できるアプローチとしては、保護者の方から塾や講師に現状を相談するという方法もあります。
他にも、現在のお子さんの学力にマッチしたコースに変更する、お子さんの現状に適した別の塾に変更するといった対策も有効です。
塾の授業についていくことが難しい場合、現状についてお子さんとよく話し合い、最適な方法でサポートすることが重要になります。
今回ご紹介した内容が、保護者の皆様の課題解決の助けになればと思います。