自己推薦書の書き方を5ステップでチェック!書き方のコツや注意点をご紹介

大学入試における出願の際、さまざまな書類を提出します。その一つが「自己推薦書」です。

これは高校生の皆さんにとって、ほとんど聞いたことのない名前かと思います。

推薦入試や総合型選抜を受ける際に必要な書類であり、これをきちんと仕上げることは、合格への第一歩です。

しかし初めての書類、何を書けばいいのかも、皆さんにはイメージしづらいでしょう。

そこで今回は、自己推薦書とはなにか、自己推薦書を書くための事前準備、完成までの5ステップについてご紹介します。

気を付けてほしい注意点についても触れますので、ぜひ役立ててもらえたらと思います。

自己推薦書とはなに?

自己推薦書は、出願の際に提出する書類の一つです。主に、学校推薦選抜や総合型選抜で提出を求められます。

この書類は、出願する大学に向かって「私はこの大学への入学に適しています」と伝える役割を持ちます。

「志望理由書」という別の書類と混同されやすいですが、そちらは、「なぜ自分がその大学へ進学したいのか?」に関する書類です。

それぞれ、大学が欲している情報が異なりますよね。

あくまで、大学の求める枠組みに自分が適していると伝えることが、自己推薦書の趣旨です。この点、混同しないよう気を付けましょう。

大学が見たがっているのは皆さんの「人となり」

そもそも、大学が皆さんに自己推薦書の提出を求めるのはなぜだと思いますか?

その答えは、皆さんの人となりを見たいからです。大学は自己推薦書を通して、受験生一人一人の個性を見極めたいと思っています。

「私たちが求める人となりにあてはまる人物か?」という視点で、学力以外の部分に注目される書類が、自己推薦書なのです。

自己推薦書に取り掛かる前に、「読み手は自分の人となりを知りたがっている」という点を、押さえておきましょう。これは、書き進めていく上で大切な指針となります。

単なる事務的な書類ではなく、「自分の人となりを大学に伝える」という目的を達成できる書類が求められるのです。

自己推薦書を書くための事前準備

事前準備を整えておくことで、自己推薦書は格段に書きやすくなります。反対に、この準備を怠ると、「書くネタがない……」や、「そもそも何を書けばいいのかわからない」となってしまう可能性があります。

「段取り八分」という言葉があるくらい大切ですので、しっかり準備しましょう。

自己分析を行う

まずは、アピールする材料を探しましょう。この時に大切なのは、アピールしたい現在の自分の要素と、過去の経験とのつながりです。

「自分のアピールポイント」を、「アピールポイントを裏付けるエピソード」とセットで書くことで、説得力を増すことができます。

そのため、自分の強みや弱みといった現在のことだけでなく、過去のエピソードをさかのぼることが重要です。

「自己分析ってなんだろう?」と思う方も多いかもしれませんが、「自分の強みや弱みから、関連するエピソードがセットになるように、過去のことを思い返してみる」と考えると、イメージがつかみやすいでしょう。

もし「書くことがない……」と感じるようでしたら、その原因は自己分析の不足にあるでしょう。なぜなら、今の人格は過去の経験によって形作られているからです。

単に「思い出せていないだけ」な可能性が高いため、自己分析を進めていけば、必ず材料は見つかるでしょう。

志望する大学をよく調べる

並行して、志望する大学に関する調査を実施しましょう。

なぜなら、自己推薦書は「自分は大学が求める人材である」と示す書類でもあるためです。

単なる自己アピールだけでは、自己推薦書は成り立ちません。「大学が求める人材と、自分という人物が一致することをアピールする」ためには、ある意味で「大学のニーズ」を把握しておく必要があるのです。

そのため、大学についてよく調べてから取り掛かりましょう。

ただ、これは「その大学にあわせたアピール内容を創作しましょう」という話ではありません。

あくまで、「大学が求めるアピールポイントを持っているのに、そのニーズを把握していなかったせいで、アピールし損ねた」という事態を防ぐためのものです。

この点、大学について調べることの意味を間違えないように注意してください。

自己推薦書を書くための5ステップ

それでは、自己推薦書を書いていきます。5つのステップがありますので、一つずつ順番に実施していきましょう。

自己推薦書に書く内容を整理する

まずは、自己推薦書に書きたい内容をすべて箇条書きにしましょう。

「これも書こうかな? あれは要らないかな?」と迷うのではなく、まずは思い浮かんだ内容を、すべて書き出します。この段階で、洗練された内容を書く必要はありません。

  • 書き出す→整理する→絞る

という流れで、最終的に絞り込んでいきます。

今はまず、思い浮かんだものを箇条書きにしていきましょう。

志望理由を整理して分析する

次に、志望理由を整理・分析しましょう。具体的には、その大学を志望する理由を言語化していきます。

ここをしっかり見つめておくことで、自分の中にある考えを言葉にし、「書くことがない」という事態を回避できます。

加えて、整理された志望理由はアピールポイントと連動させやすくなるため、濃密な文章となり、自然と説得力が生まれます。

結果、自分の人となりをより明確に伝えることが可能です。

書く内容を決める

書き出した内容を眺めて、書く対象となるアピールポイントやエピソードを選択します。

この際は、エピソードに連動するアピールポイントを選択するようにします。なぜなら、エピソードは読み手のイメージを呼び起こし、内容に説得力を与えるためです。

自分のアピールポイントが、過去のどのような出来事に由来するものなのか、考えていきましょう。

アピールする内容や自分の主張、関連するエピソードといった「何を書くか」をここで決定します。

一度最後まで書いてみる

構成は決まっているので、一度最後まで書いてみましょう。

「うーん、イマイチだな……」と感じても、そのまま書いてみてください。なぜなら、この段階で完璧を目指す必要はなく、まずベースとなる形があることが大切だからです。

ベースとなる形ができていれば、後からいくらでも直すことができます。

添削をしてもらう

書き終えた後は、他の人に添削してもらいましょう。

内容だけでなく、言葉遣いや言葉選びが適切かどうか、チェックを受けます。当然、添削を依頼する前に、自分自身で見直しを行いましょう。

高校生の皆さんにとって、こういった書類を作る経験はなかなかありません。だからこそ、積極的に添削を受けておきましょう。

自己推薦書を書くときのコツ

自己推薦書を書くときは「わかりやすさ」を大切にしましょう。なぜなら、魅力的な自己推薦書というのは、わかりやすさの上に成り立つためです。

「わかりやすく伝える」というゴールに向かって、書き進めてゆきます。

結論から述べる

自己推薦書は、結論から書きましょう。なぜなら、わかりやすい資料というのは、結論が最初に書いていある資料だからです。

そのため、まずアピールポイントから書き始めましょう。

最初に結論が出ていると、続く文章を読んでいく上で興味を刺激されます。「ふむふむ、このエピソードは最終的にこの結論につながるのだな」、「この話が、どのように自己アピールにつながるのかな」と、読んでもらえるのです。

具体的なエピソードを入れる

エピソードは、具体的なものを入れましょう。なぜなら、読む人があなたの語るエピソードをイメージしやすくなるためです。

結論を述べた後、エピソードについて語り、過去の経験が現在に向かってどのように続いているのかを書いていきます。

自分の体験を他の人に伝えるには、まずわかりやすさが大切。

よくわからない話よりも、よくわかる話の方が面白いですよね。そして、イメージのしやすさは、わかりやすさに直結するのです。この点は、自己推薦書も同じです。

具体性を意識して書くことで、読む人がアピールポイントをイメージしやすい自己推薦書となります。

アピールするポイントは絞る

アピールポイントは、一つに絞りましょう。なぜなら、複数のアピールポイントを主張してしまうと「散らかった印象」を与えるためです。

一つのボールが飛んで来たらキャッチできますが、複数のボールが一度に飛んで来たら、そのほとんどを落としてしまいますよね。もしかすると、一つもキャッチできないかもしれません。そして、「投げるなら一つにしてよ!」と言いたくなるでしょう。

アピールポイントを絞ることは、これと同じ。あなたから大学のアピールを一つに絞り、わかりやすく伝えることが大切です。

自己推薦書を書くときの注意点

自己推薦書を書く上での注意事項は、時間をかければケアが可能です。きちんと確認して、不必要な失点を防ぎましょう。

文章の一貫性を忘れない

提出する書類は、内容の一貫性を保ちましょう。

書類Aで書いた内容と書類Bで書いた内容の整合性が取れず、支離滅裂だった場合、説得力がありませんよね。

特に文章の一貫性は、誤字脱字や言葉の使い方と異なり文章全体を見る必要があるため、気づくのが難しい傾向にあります。

添削を頼む際は、この点に注意してもらうと、より的確なアドバイスをもらいやすいでしょう。

加えて、同一の書類内でも、主張がブレてしまったりしないよう、チェックすることが大切です。

正しい言葉を使う・誤字脱字をなくす

自己推薦書類に限らず、書類は正しい言葉を選び、誤字脱字がないようにしましょう。

なぜなら、誤った言葉選びや誤字脱字は、それだけでマイナス評価の対象となるためです。

これらは実際の試験とは異なり、提出前にゆっくり時間をかけることで、十分なケアが可能です。ある意味、「時間さえかければ、十分な完成度の自己推薦書は書ける」ということでもあります。

何度も確認し、そのうえで他の人にチェックしてもらいましょう。

まとめ

学校推薦選抜や総合型選抜を出願するとき、大学に提出する書類の一種が、自己推薦書です。その目的は、自分が大学のニーズに合致する人間であると伝えることです。

自己推薦書を書く前は、必ず準備をしましょう。まず必要なことは、自己分析です。

書き始める前に、書く「ネタ」を集めるところから始めます。志望大学に関する調査とあわせて、書く前の準備を整えましょう。

実際に書く際は、伝えたい内容と志望理由を整理したあと、書く内容を絞り込んでいきます。その後、一度最後まで書いてみて、きちんと見直してから誰かに添削を頼みましょう。

書く際のコツは、まず、結論から述べること。その結論の背景や裏付け、理由や経緯をエピソードによって補強します。

加えて、アピールポイントは一つに絞ることが大切です「あれもこれも」ではなく、一つの主張をしっかり伝えられる自己推薦書をつくりましょう。

また、文章の一貫性を忘れないこと、正しい言葉を使うこと、誤字脱字を防ぐといった点に注意しましょう。これらは時間をかければケアできるため、しっかり時間をかけて、不必要な失点を防ぐことが大切です。

今回は自己推薦書と、その書き方についてお話しました。きちんと準備して対応することで効果的なアピールが可能になります。ぜひ参考にしてみてください。

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