
高校受験を控えた中学生の皆さんは、面接について、数々の疑問や不安を抱えていることと思います。
特に、
「面接当日、どのようなことに気をつければいいの?」
「受け答えがちゃんとできるか不安……」
「事前に答えを準備しておけたら、心強いのに……」
と、感じている方は、多いのではないでしょうか。
今回は、そうした疑問や不安を感じている、受験を控えた中学生の皆さんに向けて、高校入試の面接で気を付けたいマナー、頻出の質問6種、面接対策の方法についてご紹介します。
高校入試の面接で気を付けたいマナー

面接の際、マナーを正しく守ることは、第一印象に直結します。面接官に好印象を残すために、まずは基本的なマナーを確認しましょう。
服装や髪型のマナー
面接において、服装や髪型は、第一印象を左右する重要な要素です。身だしなみに注意して、印象を損なうことのないよう、気をつけましょう。
服装においては、以下の点に注意します。
- 制服やシャツ、ブレザーを着崩していないか?
- 制服やシャツ、ブレザーはシワなく、清潔に保たれているか?
- ネクタイやリボンは正しい結び方がされているか? 曲がっていないか?
- ボタンが取れてしまっていないか?
- ボタンやホックはきちんと留められているか?
- ズボンやスカートの丈は適切な長さか?
- 清潔感を感じられる服装か?
髪型においては、以下の点に注意しましょう。
- 髪色は不自然ではないか?
- 前髪が眉毛にかかっていないか?
- 寝癖は直してあるか?
- 髪や肩にフケなどはついていないか?
- 清潔感を感じられる髪型か?
どちらも、きちんと整えられており、清潔感があることが大切です。こうした身だしなみによって、面接官に敬意を払い、相手を重んじる気持ちを示すことができます。
また、「自己管理ができる、信頼できる人間である」という印象を、面接官に与えることが可能です。
言葉遣いのマナー
面接においては、言葉遣いにおけるマナーを守りましょう。
具体的には、敬語をきちんと使うことです。「~です」、「~ます」といった敬語で、明るくハキハキと話しましょう。目を見て話すことができると、さらによいですね。
また、一人称は「ぼく」や「俺」、「あたし」ではなく「わたし」とするようにしましょう。
上記の点を守ることで、面接官にてきぱきとした印象を与えることができます。加えて、「ああ、ちゃんと準備をして面接に臨んでくれたのだな」と、敬意を感じ取ってもらえるでしょう。
入室時と退室時のマナー
入退室時のマナーを守ることも、面接においては大切です。
入室時は、以下の点に注意しましょう。
- 受験番号や名前を呼ばれたら、はっきりと返事をする
- ドアのノックは3回。「どうぞ」など、入室の許可が出るまで、ドアは開けない
- 「失礼します」と言ってから、ドアを静かに開けて入室する
- きちんとドアの方を向いて、静かに閉める
- 面接官に対して一礼した後、椅子の横まで歩く
- 受験番号と在籍している学校名、氏名を名乗り、「よろしくお願いします」とあいさつする
- 「おかけください」など、着席の指示が出たあと、「失礼します」と着席する
退室時は、以下の点に注意します。
- 面接を終わりを告げられたら、椅子の隣に立つ
- 「ありがとうございました」と一礼する
- ドアの前まで移動し、面接官に向き直る
- 「失礼します」と一礼する
- ドアを静かに開けて、室外に移動して閉める
退室後、案内係の方から誘導があれば、それに従いましょう。
面接中はもちろん、面接の前後も、あなたの姿は見られています。最後まで気を抜かず、試験会場から出るまでは、緊張感を保つことが大切です。
高校入試でよく聞かれる質問6選

高校入試では、多くの「聞かれやすい質問」があります。そのうち、代表的なものを6つ、ご紹介します。
志望動機・志望理由
高校入試の面接でよく聞かれる質問として、志望動機や志望理由が挙げられます。これは面接官が特に知りたい項目のため、しっかりとした答えを持っておくことが大切です。
話す際は、具体的で、かつ、あなたがその高校を志望することに積極性を感じる動機を話せると、好印象につながります。学校の特色や、将来の目標に関わる部分で動機となっている部分がないか、自分の動機について考えてみましょう。
反対に、「自宅から近かったから」や、「自分でも入れそうだったから」といった回答は、避けたほうがよいといえます。こうした回答は、志望動機を消極的に見せ、印象を損ねてしまいます。
中学校で頑張ったこと
高校受験の面接において、中学校で頑張ったことも、代表的な質問だといえます。
なぜなら、面接官はこの質問を通して「努力の過程で得た学び」について聞き、あなたという人物を知ろうとしているからです。
そのため、頑張った内容にプラスして、「努力する中でどのような工夫をしたか?」、「頑張る過程とそれによって得た結果から、何を学んだか?」を含めて話すとよいでしょう。
高校に入って頑張りたいこと
最近の高校受験の面接では、高校に入ってから頑張りたいことや、高校に入ってから打ち込みたいことについても、よく質問される傾向にあります。
面接官はこの質問によって、「高校に入学後、どのくらい頑張ろうと思っているのか」を推し量ろうとしています。
そのため、「特にないです」という答えは、消極的過ぎるといえます。
特別なこと、立派なことである必要はありません。自分がやりたいと感じたことを、素直に答えてみましょう。
自分の長所・短所
自分の長所・短所については、高校受験だけでなく、面接の定番です。
「自分の長所は○○です」の一言で終わってしまうのではなく、具体的なエピソードや、根拠について話すようにすると、面接官の印象がグッと良くなります。
また、短所についても、「自分の短所は○○です」の一言で終えるのではなく、その短所を改善したり、補ったりするためにどのような努力や工夫をしているかを話してみましょう。
そうすることで、短所に関する話でも、前向きな印象を与えることができます。
得意科目・苦手科目
得意科目や苦手科目についても、答えられるようにしておきましょう。
まずは「得意科目は○○で、苦手科目は○○です」と端的に答えたあと、得意な理由と苦手な理由について答えていきます。
苦手科目については、「苦手をどのように克服しようとしているか」という部分を補って話せるようにしておきましょう。面接官の印象を、より良いものにできます。
最近のニュース
最近のニュース、つまり時事について質問されることに、備えておきましょう。
具体的には、「最近のニュースで気になったものは、どんなものがありますか?」、「なぜあなたは、そのニュースが気になったのですか?」という質問です。
この質問は、最近のニュースについて、最低限の情報を持っていないと、答えることができません。
そのため、普段から報道番組や新聞に触れることが大切です。それらのニュースに対して、自分なりの考えを持つ習慣をつけておくことで、対応できるようになります。
高校入試の面接対策はどうする?

高校入試の面接対策は、事前に取り組んでおくことが大切です。また、塾に入っている場合は、塾で指導を受けるのも、非常に有効な選択肢といえます。
回答例や自己PRをまとめておく
頻出質問の回答例や自己PRは、事前にまとめておきましょう。
なぜなら、質問されたとき、具体的で内容が濃いエピソードや話ができるほど、面接官に残す印象は強くなるためです。
特に、具体的な回答内容や自己PRの内容を文章に書き出し、何度も声に出して練習しておくことがおすすめ。練習が不安を軽減してくれて、自信を持って本番に臨むことができます。
誰かに添削してもらう
解答例や自己PRを作った後は、誰かに添削してもらいましょう。
自分ではOKだと思える内容でも、他の人から見たときの印象は、異なるかもしれません。わかりづらかったり、削ってブラッシュアップできる部分があったりします。
家族や学校の先生に頼むこともおすすめですし、もし塾に通っているのであれば、塾の講師に添削してもらうのもよいでしょう。
大人の目線や、受験のプロの目線から意見をもらうことができるため、大変効果的です。
模擬面接で練習する
面接で話す内容が固まったら、模擬面接で練習を行いましょう。
なぜなら、面接の練習を重ねれば重ねるほど、自然体で話せるようになっていくためです。「棒読み」ではなく、自然に話せているほど、あなたの印象は良くなり、面接を成功させやすくなるでしょう。
実際の練習では、大人に面接官役をしてもらうと、より効果的。本番に近い環境で練習できると、より効果が高くなります。
学校の先生や塾の講師に、練習相手をお願いしてみましょう。
まとめ
高校入試の面接に備えるうえで、服装や髪型のマナー、言葉遣いのマナー、入室時と退室時のマナーの3つを守ることは、第一印象を左右する重要なポイントです。
よく聞かれる質問は、志望動機・志望理由、中学校で頑張ったこと、高校に入って頑張りたいこと、自分の長所・短所、得意科目・苦手科目、最近のニュースなどが挙げられます。
高校入試の面接対策は、解答例や自己PRをまとめておく、誰かに添削してもらう、模擬面接で練習することの3つ。
特に、自分以外の誰かに添削を頼んだり、練習相手になってもらうことはとても有効ですので、勇気を出し頼んでみましょう。きっと、その練習はとても有意義なものとなるはずです。
今回は、高校入試の面接で気を付けたいマナーと、頻出の質問、面接対策についてお話しました。これらの内容が皆さんの参考になり、面接を乗り切る力となることを心から願っています。