塾と予備校、何が違う?どちらに通うと良いのか徹底解説!

高校生の皆さんが大学受験を意識したとき、選択肢に上がってくるのが塾や予備校での勉強かと思います。

実際、塾や予備校で指導を受けることは、非常に効果的。学校外の勉強を強化する上で、とても心強い味方となってくれます。

しかし、塾と予備校の違いや、どのようなが塾に向いており、どのような方が予備校に向いているか、といった部分について、具体的に知っている方は多くありません。

そこで今回は、塾と予備校の違いと、それぞれの特長について解説し、皆さんが塾と予備校のどちらに向いているかについてもお伝えします。

塾と予備校の違いとは?

塾と予備校は似たイメージを持たれがちですが、それぞれ定義や目的が異なります。

塾の定義と目的

塾は小学生から高校生までを対象として、学校の授業定期テストの学習指導が目的となっています。

そのため、学校の定期テストの得点・内申点アップ、苦手の克服などを目指した授業が行われます。

ただし、塾であっても受験に特化した、「進学塾」というのもあります。

こうした一面から、塾は受験から補習まで、広い範囲で学習の場を提供する組織であるといえるでしょう。

予備校の定義と目的

予備校は一般的に、大学受験対策を目的とした施設を指します。対象は高校生や高卒生であり、大学受験に合格するための授業が行われます。

そのため予備校は、より受験に特化した組織であるといえるでしょう。

授業形式の違い

予備校の授業は、基本的に講義形式です。問題を解いたり質疑応答の時間がある塾の授業や学校の授業とは、この点が大きく異なります。

「講師の解説を聞く」ことが授業のメインとなり、わからないことがあれば、授業後に質問しに行く必要があります。

また、授業が基本的に受け身となるため、授業で聞いた内容をきちんと身に着けるために、自主的な学習は必須です。

このように、授業形式が大きく異なる点は、予備校の大きな特徴だといえます。

講師の質の違い

塾と予備校では、講師の質について、傾向が異なります。

予備校の講師は、基本的にプロの講師です。そのため指導の専門性が特に高く、講師の質が高水準である点が特徴だといえます。

それに対して、塾の講師は、予備校の講師に比べて生徒との距離が近い点が特徴だといえます。

予備校の講師と比較して、塾での学習は相互コミュニケーションの性質が強くなります。そのため、個人に寄り添った指導を受けやすいという点が、塾講師の特徴です。

このように、塾と予備校では、授業を行う講師の傾向に、距離感や授業やサポートの方向に違いがあるといえます。

費用面の違い

塾と予備校では、必要な費用にも違いがあります。

予備校の費用は、高額となりやすい傾向があります。授業や教材がハイレベルなこともあり、難関大学の合格に照準を定める際は、十分な費用対効果を期待できるでしょう。

塾は一般的に、予備校と比べて費用が安価な傾向にあります。その中でも集団指導塾は、運営コストの関係から特に安価となりやすいです。反面、個別指導塾は割高となる傾向にあります。

塾の特長と向いている人

塾と予備校の大きな違いは、その目的にありました。

では、塾と予備校、それぞれどのような特長があるのでしょうか?

塾の特長と、塾に向いている方の傾向について、ご紹介します。

授業形態が豊富

塾には個別指導塾と集団指導塾といった形態があります。講義形式での授業や、相互にコミュニケーションをとりながら進める方式など、多様な授業形式が提供されています。

その中には、基礎の学習や定期テスト・内申点の成績向上を主眼に据える塾も多く、理解度にあわせた指導を受けやすい点も特徴であるといえます。

カリキュラムが豊富

提供されるカリキュラムの選択肢が広いことも、塾の特長です。

一歩ずつ段階的に進行していくカリキュラムから、個々人の理解度にあわせて設計するカリキュラムまでそのバリエーションはさまざま。基礎が不安な生徒には基礎から、基礎が得意な生徒には応用と、学力にあわせた授業を受けることができます。

特に、個別指導塾の場合、生徒一人一人にあわせたカリキュラムが作成されます。そのため、もし基礎的な学力に不安がある場合でも、無理に進めることなく、基礎から着実に学び直せるようになっています。

塾が向いている人

以下のような希望を持つ方は、塾が向いているといえます。

勉強を後押ししてもらいたい

自主的に勉強に取り組むのが苦手であったり、課題を出してもらなわないとなかなか机に向かえないといった方は、塾が向いています。

なぜなら、そうした悩みの解決には、塾のサポート体制が向いているためです。

塾は予備校に比べて生徒との距離が近い傾向にあるため、個別のフォローをより受けやすくなっている点も、うれしいポイントでしょう。

内申点を上げたい

推薦入試や総合型選抜を視野に入れている場合も、塾が向いています。

予備校は受験に特化するため、内申点に関わる定期テストの対策を行わないことも少なくありません。その点、塾はこういった対策に優れています。

勉強以外の活動と両立したい

学習以外では、部活やそのほかの活動で忙しい場合も、塾が選択肢に入ります。特に、個別指導塾がおすすめです。

なぜなら、受講する日や時間帯を調整しやすく、通塾と両立しやすいためです。

「学校の授業を中心とした学習内容を希望したいが、自主的に勉強に取り組むのは苦手……」、「フォローを受けながら、少しずつ成績を上げていきたい」、こうした要望がある方は、塾が向いているといえます。

予備校の特長と向いている人

塾とは違い、大学受験対策に特化している予備校。

では、予備校はどのような特長があり、どのような方が向いているのでしょうか?

大学受験に特化している

予備校のカリキュラムは、大学受験に特化しています。受験特化のカリキュラムにより、効率的な学習が可能です。

また、授業の進行が早い点も特長。ある程度まで基礎学力が身についているのが前提に進むため、テンポよく受験対策を進めることができます。

プロの講師に実践を教えてもらえる

予備校は基本的に、各科目ごとにプロの講師が授業を担当します。

そのため、授業の質について、一定以上の水準が保証されているのが特長です。難関大学を対策する特別講座や演習など、発展性も高くなります。

授業形態は基本的に、講義形式の集団指導。1クラスの生徒数が多く、大勢の生徒と同時に授業を受けます。

あらかじめ組まれたカリキュラムに沿って、テンポよく授業が進んでいきます。そのため、効率よく大学受験対策を行うことができます。

予備校が向いている人

予備校は塾と比べて、勉強に自主性が求められます。そのため、すでに学習習慣が身についている場合、予備校のメリットを最大限活かすことができます。

より専門的な指導を受けたい

難関大学を目指している場合、予備校が適しています。なぜなら、より専門的な指導を受けられるためです。

最新の受験情報やその分析にも優れ、それらを元に、戦略的に受験対策を実施できます。

積極的に効率の良い受験対策がしたい

予備校は受験に特化しており、その対策も効率的です。そのため、効率を求める場合、予備校は非常に良い選択肢です。

授業内容を毎回理解していけば、志望校合格に求められる学力が身につくよう、カリキュラムが設計されています。これを追うことで、効率的な受験対策ができることは大きな魅力でしょう。

特に、難関大学を目指していたり、すでに一定の学力が担保できている場合に有効です。

そのうえでモチベーションを高く、自主的な学習ができる方は、予備校が向いているといえます。

塾と予備校それぞれのデメリット

次に、塾と予備校について、それぞれのデメリットもご紹介します。先述の特長とあわせて、検討の材料にしてみてください。

塾のデメリット

塾は提供されるサービスが目的別に分かれるため、塾の選択を誤ると、目的達成のためのサポートを十分に受けられない可能性があります。

例えば、学校の定期テストの得点・内申点のアップであったり、苦手の科目の克服など、学校の勉強の補助をベースとした塾を選んだ場合です。

この際、大学受験に的を絞った対策をその塾で十分に受けられるかは、確認しておく必要があります。なぜなら、一口に塾といっても、補習塾と進学塾では受けられるサービスが異なるためです。

参考書や赤本といったテキスト類が不十分であったり、受験の戦略を立てる・受験に関する情報収取などを自分で行わなう必要が出て切るかもしれません。

塾の方針、進学塾であるかどうかなどで、この点は異なります。どこまでサポートを受けられるか、教室に確認しておくと良いでしょう。

予備校のデメリット

予備校の授業は、講義形式で進行します。授業中の質問はできず、授業の内容や進行速度も、個々の生徒の学力にあわせることができません。

基本的に、習った内容は理解できている前提で授業が進んでいくということを、忘れないようにしましょう。そのため、基礎的な内容はある程度身についていること、予習・復習を自身で行うことが求められます。

進路指導や学習に関する質問、個別のフォローも用意されていることが多いですが、あくまで自身が、生徒が主体的にそれを活用していく必要があります。

そのため、自主的な学習が苦手な方、誰かに言われないとなかなか勉強を始められない方には、予備校は向いていません。

まとめ

塾と予備校の違いは、その目的と特長にあります。

塾は基礎学力や定期テスト・内申点アップから大学受験の合格まで、提供しているサービスの目的に、幅があります。対して予備校は、予備校は大学受験の合格を目的としています。

塾の特長としては、豊富な授業形態・カリキュラムによる選択肢の広さが挙げられます。勉強の背中を押してもらいたい方や、内申点を対策したい方、勉強とそれ以外の活動を両立したい方におすすめです。

予備校の特長としては、大学受験に特化していること、プロ講師からより専門性の高い指導を受けられる点が挙げられます。主体的な勉強ができており、より効率的な受験対策を希望する方におすすめです。

一概にどちらが優れているというものではなく、自分に合った方を選ぶことが大切だといえます。

通う目的や、自身の気質に合うものを選択すること。それが、皆さんの学力向上・志望校の合格に大きな影響を与えます。

今回ご紹介した、塾と予備校の違い、特長を見比べて、自身に合った方を選択してもらえたらと思います。

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