
塾に通う、通わせることを考えているけれど、週何回くらいの頻度で通うのが適切なのか悩んでいる……。入塾前の皆さんから、こうした相談を多くいただきます。
塾を選ぶ際、どの塾に通うのが適しているのかと同時に、どのくらいの頻度で塾に通えばいいのかも気になりますよね。
「多いに越したことはないと思う」と思いつつ、「多すぎると、通うのが辛くなってしまいそう……」とも考えてしまいます。そんな時、頻度を決定する基準や、判断材料を知れたら、安心して塾に通うことができませんか?
今回はそうしたお悩みに応えるべく、週に何回、どのくらいの頻度で塾に通うものなのかについて、お話します。
塾には週何回通うのがいいの?

通塾の頻度について、「多ければ多いほど良い」と考えがちですが、これは誤りです。回数や頻度ではなく、別の部分にフォーカスして検討していく必要があります。
学年や目的にあわせる
塾に通う回数を考えるうえで大切なのは、学年や目的です。
回数ベースでスタートするのではなく、学年を鑑みたうえで、目的に沿って「○○という目的を達成するには、週○○回ほど通うと良い」という考え方が大切になります。
例えば、自分で予習や復習をする習慣がまだない場合は、学習習慣をつけるためにも、一定以上の回数を通うべきです。反対に、学習習慣がついていて、自宅でもある程度勉強ができる場合、通塾の頻度は少なくても問題ありません。
また、塾にいくことに気乗りしない、まだ慣れていないのに、回数を多くしすぎるのも考えもの。塾へ通うことや、勉強そのものが嫌になってしまう可能性があります。
反対に、塾へ積極的に行きたい気持ちがあるなら、回数は増やしてもOK。他にも、家では集中して勉強ができない、塾の方が集中しやすいといったものも、頻度を増やす理由になります。
塾に通う目的を明確にし、学年に合った回数を選ぶこと。これが大切です。
学年別の通塾回数

次に、学年別の通塾回数の大まかな目安についてご紹介します。
小学生の通塾回数
小学生の通塾回数については、低学年か高学年かで、通塾回数の目安が変わってきます。
小学校低学年
一般的に、多くの小学校低学年の通塾頻度は週に1~2回ほど。
勉強そのものにまだ慣れていないため、少しづつ慣らしていき、勉強の習慣をつけることが重要になります。いきなり回数を増やして、勉強嫌いになってしまっては本末転倒です。まずは週1回から塾に通うことを始めてみましょう。
小学校高学年
小学校高学年の場合、中学受験を目的とするかどうかで、通塾回数が変わってきます。
一般的には高学年になると、通塾回数は週2~3回ほどに増える傾向があります。これは、中学受験を目的とせず、学力の向上や学習習慣の補強を目的とした場合です。
中学受験を目的とする場合は、週3回以上の頻度で通塾するのが一般的です。
ベネッセ教育総合研究所が、中学受験を目的とした生徒とそうでない生徒の通塾頻度の調査を行っています。
それによると、中学受験が目的の小学校高学年の通塾回数は週3回が最多、そうでない小学校高学年の場合は週2回が最多でした。
中学受験を目的とせず、学力の向上や補強、学習習慣の定着を目的とした場合は週2~3回の通塾。中学受験を目的とした場合は週3回以上。この回数が一般的な通塾回数となっています。
中学生の通塾回数
文科省が公表しているデータによると、中学生の場合、通塾の頻度は週1~2回が一般的となっています。
参考:中央教育審議会 スポーツ・青少年分科会(第36回)議事要旨・配付資料[資料4] 2調査結果の概要 1.単純集計の結果(10.学習塾への通塾)-文部科学省
これらはあくまで平均的な値であり、学年や通塾の目的によって、実際には幅があります。
部活や習い事がある中、塾に多くの時間を割けないという場合は少なくなりますし、そうでない場合は増やすことができます。
通塾の目的が学校の授業の補習や定期テスト対策の場合、週1~2回で十分なこともあるでしょう。
また、部活の引退、受験対策の本格化などによって、中学3年生は週3回以上通うということも、珍しくありません。
このように、中学生の通塾頻度は、塾に割ける時間や通塾の目的、学年によって、幅があります。一般的には1~2回ですが、個々の目的にあわせた回数を決めることが大切になります。
高校生の通塾回数
高校生の通塾頻度は、週2~3回が一般的。個々の学力や目標によって大きく幅が出ますが、これがおおよその目安です。
参考:ベネッセ教育総合研究所「第2回子ども生活実態基本調査報告書 第3章 学習について」
大学受験対策として塾に通う場合、通塾回数は志望大学や現在の学力によっても異なってきます。大学ごとに受験科目数や入試形式などが異なるためです。
また、推薦入学を目的とした場合、内申点が関わってくるため、1年生の時から積極的に通うことが求められます。
通塾頻度を適切に増やすことは良いことですが、増やしすぎるのは禁物。特に、部活をしている場合などは、両立が求められます。
現在の学力がどの程度かにもよる話なので、この点については、ぜひ一度、通塾を検討中の塾へ相談してみてください。受験のプロの目線から、適切な回数を教えてもらうことができるはずです。
週の通塾回数の決め

最後に、目的別に通塾回数を決める考え方について、ご紹介します。一般的な回数はこれまで述べた通りですが、それにプラスして、目的を踏まえたうえで塾に通う回数を決定しましょう。
目的で決める
通塾の目的がどこにあるのかという視点で、通う頻度を決定します。
「受験を目的とする」か、「学校の成績向上を目的とする」かで、目的は大別できます。
受験対策の場合、週3回以上が一般的で、難関校・難関大の場合はさらに増やすことも。対して、学校の成績向上なら、週1~2回程度の通塾で十分な効果が得られます。
通塾の目的によって、週1~2回なのか、週3回以上の頻度にするのか、目安にすることができます。
状況や本人の希望で決める
学力の状況や、本人の希望という視点で、通塾の頻度を決定します。
本人の学力がどの程度で、どういった目標があるのかによって、最適な通塾回数は変わります。加えて、どの程度通塾に意欲的なのかという点も、考慮に入れることが大切になります。
また、学校生活との兼ね合いという視点も忘れてはいけません。特に、部活動は学校生活における重要な楽しみの一つ。部活と通塾を両立できる回数に設定するようにするのがおすすめです。
具体的には、1~2年生では週1~2回、部活を引退するタイミングから通塾回数を増やすこと。こうすることで、部活と勉強を両立させながら、充実した学校生活を送ることができます。
通塾するうえで無理は禁物ですが、目標を達成できる頻度で通う必要もあります。この点は、通塾を検討している塾に相談してみると良いでしょう。適切な通塾頻度の提案を受けられます。
予算で決める
通塾頻度を決定する際、予算についても注意を払いましょう。
塾によっては、通常の授業以外に、追加授業の際に料金が発生する場合など、入塾前の想定よりも多くの費用が必要になる場合があります。
無理のない通塾回数と費用であることを確認するのはもちろん、追加で費用が発生するケースがあるのか、その場合はどのくらいの金額になるのかなど、しっかり確認しておくと、アクシデントを防ぐことができます。
まとめ
週に何回通塾するのが良いのか、その最適な頻度は、学年や目的、本人の状況によって幅があります。そのため、目的に沿った回数を選択する必要があります。
小学校低学年~中学生であれば週1~2回、中学・高校・大学受験対策を目的とするならば週3回以上。これを目安として、回数を調整すると、決めやすいでしょう。
受験を目的とするのか、成績の向上を目的とするのか。学年や、部活との兼ね合いはどうするのか。志望校の難度と現在の学力の状態はどうか。
こういったことを勘案したうえで、目的達成のために無理のない頻度で通うことが大切です。
もし自身で通塾回数を決めるのが難しいようでしたら、通塾を検討中の塾へ、問い合わせてみてください。今回ご紹介した内容を鑑みたうえで、プロから提案を受けることができるはずです。