
中学生のお子さんや、中学校入学を控えた小学校高学年のお子さんを持つご家庭にとって「塾はいつから通うといいの?」という点は、気になるところですよね。
特に、高校受験を意識した場合、塾へ通い始めるタイミングは重要です。
早く入塾すれば学力において有利ですが、お子さんへの負担は大きくなり、勉強へのモチベーションが低下したり、勉強が嫌いになってしまう可能性があります。加えて、費用の負担も大きくなってしまうでしょう。
今回は、中学生のお子さんの入塾について考えている保護者の皆様に向けて、高校受験における入試対策や内申点対策など、目的別の入塾タイミングについてご紹介します。
高校受験は人生の大きな節目。「もっと早くから塾に通っていればよかった……」、「他の塾を選んでいたら、結果は変わったかも……」と後悔しないよう、ぜひ参考にしてもらえたらと思います。
中学生は塾に通うべきなのか?目的と理由

まず、「中学生は塾に通うべきなのか?」という点についてお話します。
結論として、中学生が塾に通うべきかどうかは、目的によります。塾はあくまで手段であり、目的が明確になっていて初めて正しい手段を検討できます。
ここでは、代表的な通塾の目的を3つほどあげてみましょう。
高校受験に向けた対策をしたい
塾に通う大きな目的の一つが、高校受験対策です。塾では、志望校合格のために、さまざまな指導を受けることができます。
志望校の入試における出題傾向を自分で調べたり、自分で計画を立て対策を行うことは、なかなか難しいものです。塾であれば、最新の入試情報を得ることもでき、最新の情報に基づいた受験対策もしてもらえるので、万全の対策をしてから本番に望むことができます。
内申点を上げたい
塾に通う目的としてもう一つ大きなものが、内申点の向上です。早期から塾に通うことで、内申点に大きく関わる、定期テスト対策ができます。
何年生の成績からが内申点の対象になるかは受験先の高校によって異なりますが、公立高校の場合、中学一年生や二年生の成績が内申点の対象になる場合もあります。
そのため、早い段階で塾に通い始めることの利点は大きいでしょう。
学力を向上させたい
上記の二つの他に、学力の向上を通塾の目的とすることもあります。
例えば、「学校の授業についていくのが難しいから」であったり、「最近成績が落ちてきたから」という理由で学力を向上させたいといった場合です。
受験対策や内申点向上といった具体的な目的が思い浮かばずとも、「学力を上げたい」と感じている場合、塾に通うのは有効な方法です。
中学生はいつから塾に通うのが良いのか

次に、中学生の通塾はいつからが良いのかという点について、具体的にお話していきます。
難関校やレベルの高い高校に志望する場合
志望校が難関校と呼ばれる高校であったり、レベルが高い高校の場合、早期からの受験対策が重要です。
公立の難関校を目指すのか、私立の難関校の難関校を目指すのかによって、早期から対策が必要になる背景が若干変わってきます。
公立の難関校を目指す
公立の難関校を目指す場合、学力検査だけでなく、内申点も高評価であることが求められます。そのため、入試対策だけでなく、内申点対策も必要です。
結果的に、入学試験の対策だけでなく、定期テスト対策も求められるため、早期の入塾が好ましいといえます。
私立の難関校を目指す
私立の難関校を一般受験する場合、学力検査での得点が重要です。早めに塾に通い始め、中学三年生までの試験範囲をすべて終えて、受験対策として演習や過去問を行うために時間を使うことが大切になってきます。
また、私立高校の推薦入試の場合は、内申点も重要です。そのため、内申点対策、すなわち定期テスト対策をしたうえで学校のテストを受けられるよう、早期の入塾が好ましいといえます。
難関校を目指す場合、受験のノウハウを蓄積し、学校ごとの受験対策を実施できる塾に通うことは、大きなアドバンテージです。
早い子だと、小学校高学年や中学一年生の段階で、高校受験を視野に入れた通塾をしている場合もあります。早いスタートを切ることで、他の生徒と差を付けることが可能です。
内申点を上げたい場合
高校受験は、内申点が大きく入試の結果を分けます。そのため、内申点対策を行うなら、中学一年生から通うのが良いでしょう。
内申点は、主に中学校での定期テストや授業態度、課題や提出物への取り組み状況を評価します。そのため、内申点をアップさせるには、定期テストの成績向上は必須といえます。
定期テストの対策が得意な塾に通うことで、結果的に、内申点の対策ができます。
内申点の対象となる学年や教科は、地域や学校によって異なりますが、塾はそうした情報も収集し、傾向を対策に落とし込んで授業をしてくれます。
内申点を高く保つことは受験を大きく有利にするため、早期の入塾によって対策するのは、とても有効な受験戦略といえます。
学力を向上させたい場合
「学校の授業についていくのが難しくなってきた……」、「勉強の習慣がなかなかつかない……」といった場合は、すぐに入塾するのがおすすめです。
勉強の遅れは、早期対処・挽回するのがベスト。放っておくと、学校の授業はどんどん進んでしまい、遅れを取り戻すのが難しくなります。
学校以外での学習習慣がまだ定着していない場合も同様で、入塾は早いに越したことはありません。今度どのような学習を進めていくにせよ、習慣がないと、学力が伸びにくくなってしまうためです。
塾に通うのが遅くてもよいパターン
塾に通うのが遅くても良いパターン、具体的には中学二年生の2~3月から通い始めても大丈夫なパターンが、「自分の実力にあった高校を志望する場合」です。
「基礎的な学力がついており、学校の授業にも付いていけている」、「模試の結果も良く、判定にも問題がない」といった状況ならば、自主学習で合格に必要な成績をキープできていると考えられます。
そのため、必ずしも早期から通塾する必要がありません。模試が十分な成績で安定しているなら、遅めの入塾で問題ないでしょう。
塾は、学力の向上だけでなく、入試情報を集めたり、試験の際の実践的なテクニックを身に着けることもできる場所です。遅めの時期であっても通塾を始めることで、より万全な体制で本番に臨むことができるでしょう。
中学生が塾に通うメリット・デメリット

中学生が塾に通うことには、それぞれ、メリットとデメリットがあります。入塾時期を考える上で、この点も押さえておきましょう。
メリット
中学生が塾に通うことによるメリットは、以下のようなことが挙げられます。
学校以外での学習習慣を定着させることができる
勉強が難しくなってくる中学校では、学校だけの勉強で成績を維持・向上させるのは難しく、必然的に、学校の授業以外での勉強が求められます。
早期の通塾によってあらかじめ学習を習慣づけておくことで、受験勉強に対する助走期間を作ることができます。
高校受験の情報に早い時期から触れることができる
受験において、情報は重要な役割を持ちます。例えば、志望校の出題傾向を把握しているだけでも、そうでないお子さんと大きな差がつくでしょう。
多くの場合、こうした情報収集は保護者主導で行うことになります。
そんな時、塾の力があると、他では手に入らない蓄積したノウハウ・情報を、簡単に得ることが可能です。高精度の情報を効率的に収集できる点は、大きなメリットといえます。
基礎学習から着実に力をつけていける
塾では、高度な対策だけでなく、基礎学習からサポートを受けることができます。なぜなら、基礎学習として習う範囲も、高校受験の試験範囲だからです。
学校の授業は、基礎が理解できていないところがあっても、どんどん進んで行ってしまいます。
基礎学習からサポートしてもらえる塾に通うことで、学校の授業についていけなくなる、といったことを防ぐことができます。こうした部分も、塾に通うことのメリットです。
デメリット
中学生が塾に通うことによるデメリットは、以下のようなことが挙げられます。
子供の負担が大きくなる
塾と学校生活の両立は、少なからずお子さんへ負担がかかります。無理をさせすぎてしまうと、勉強が嫌になってしまうこともあります。
授業時間を調整しやすい塾を選ぶなど、できるだけ通塾の負担を取り除けると、継続しやすくなるでしょう。
塾費用が長い期間発生する
早期からの通塾には、その分費用が多く発生します。費用の面から、早期からの通塾が難しい場合もあるかと思います。
こういった場合、塾の通い方を工夫することで、解決できる場合があります。具体的には、苦手教科のみの受講や、季節講習(夏期講習や冬期講習)のみの受講などです。
まずは予算を明確にし、それにあった塾を検討してみてください。
まとめ
中学生のお子さんが塾へ通い始める最適なタイミングは、その目的によって異なります。
受験対策、内申点対策を目的とした場合は早期であるほど効果的。早いと中学一年生から、高校受験を視野にいれた対策を行うことができます。
十分な学力がある場合は中学二年生の2~3月でも問題ありません。十分な学力が備わっているとしても、受験に関する情報収集や、本番の対策といった面で、塾に通うことは大変効果的です。
もし、学校の授業や定期テストで基礎学力の不足を感じた場合は、すぐに通塾を始めるのがおすすめです。早ければ早いほど、挽回しやすくなるでしょう。
高校受験は、お子さんにとっても保護者の皆様にとっても大きな出来事。入塾のタイミングは、その結果に大きな影響を与えます。今回紹介した内容が、お子さんの入塾タイミングを選ぶ参考になれば幸いです。