
子供に勉強する習慣をつけ、学力を向上させていくうえで、塾選びはとても大切な決断になりますよね。
そして、通うべき塾を検討している保護者の皆様にとって、塾の選び方というのは、大きな悩みどころではないでしょうか?
- 「集団指導と個別指導、何が違うの?」
- 「学年によって塾の選び方が変わるって本当?」
- 「目的によって塾の選び方が変わるってどういうこと?」
- 「塾選びに失敗したらどうしよう……」
こういった塾選びに関する疑問・不安をお持ちの方もいらっしゃると思います。
そこで今回は、失敗しない塾選びのポイントを6つご紹介します。
塾を選ぶときの6つのチェックポイント

1.通う目的があっているか
まず、塾に通う目的と、塾の方針が合っているかどうか。ここが、最初のチェックポイントになります。塾の方針と通う目的を一致させておくことで、ミスマッチを防ぐことができます。
a.学習習慣
小学校低学年の子供に多く、学校以外の場所で勉強を習慣づけることを目的としています。
b.学力
学力の向上を目的としています。子供自身が「学校の勉強について行くのが難しい」と感じている場合や、保護者の方自身が「子供のテストの点が悪くなっている」と不安を感じている場合などがあてはまります。
c.受験
志望校の合格を目的とした場合、受験が目的となります。
2.指導方法があっているか
塾の選び方として、指導方法・授業の形式があっているかは、重要なポイントになります。
個別指導塾
個別指導塾とは、講師(塾の先生)が生徒1~6人程度を担当する、少人数制の指導塾のこと。
規模が小さいため、個々人の得意・不得意や学習の速度、目標にあわせた指導を受けやすいという特徴があります。そのため、苦手教科の克服であったり、受験における志望校が明確になっている場合など、目標が定まっている場合には特に有効です。
他にも、スケジュールの調整がしやすいというメリットもあります。スケジュールの調整をしやすい塾が多いため、部活などの様々な活動と勉強を両立し、学校生活を充実させてほしいとお考えでしたら、個別指導塾が向いていると言えます。
集団指導塾
集団指導塾とは、大人数の生徒が教室に集まって授業を受ける、学校に近い指導方法の指導塾のこと。学校に近い形式で、授業を受けることができます。
友達と一緒に頑張れることや、競争心によってやる気が引き出されるなど、環境からプラスの影響を受けられることが特徴です。勉強に対する態度や意欲を、集団から刺激を受けながら、育むことができます。
また、集団指導塾は講師の質が高い傾向があると言われています。そのため、より質の高い授業を受けられる可能性があります。特に、大手の集団指導塾の講師は、その塾の社員である場合も多いです。スキルアップのためのトレーニングを受けている可能性もあり、そうした点で、講師の質が担保されやすい傾向にあると言えます。
3.継続して通いやすいか
お子さまや保護者の皆様にとって、継続して通いやすいかというのも、塾選びの重要なポイントです。
立地を確認する
立地や費用などが、継続して通いやすい条件であるかは重要なポイント。交通機関や自転車で負担なく通える圏内かどうかだけで、塾の続けやすさが大きく変わってきます。
保護者による送り迎えが前提なら問題ありませんが、そうでなければ、子供の負担が少なく、かつ安全に通塾できる立地かどうか、しっかり確認しましょう。
具体的な費用を確認する
加えて、継続して通うものだからこそ、費用面での負担が大きくなりすぎないよう、注意を払うのが大切です。
Web上の案内やチラシの案内だけでは、季節講習に追加費用が発生するかといった、細かい部分までわからないことがあります。事前に必ず、詳細な費用の内訳や、年間のトータル金額を把握して塾を選びましょう。
4.塾の雰囲気とあっているか
子供の性格と塾の雰囲気の相性は、モチベーションを保つうえでとても重要になります。
塾の実績を見るだけでなく、無料体験を利用して、実際の雰囲気を確認することが大切です。塾の実績や立地、その他の条件が良くとも、子供自身が嫌がる場合もあるからです。
塾に通うのは子供自身なので、無理強いせず、必ずコミュニケーショーンをとりましょう。そこには必ず理由があります。そして、親子で話し合いをしたうえで、子供の希望を優先させてあげましょう。無理強いした場合、勉強に対するモチベーションそのものが、大きく下がってしまいます。
子供が通いたいと思える雰囲気の塾を探すことは、とても重要です。
5.授業内容や設備があっているか
塾を選ぶ際は、授業内容や、校舎の設備についてもよく調べておく必要があります。
授業内容
授業内容が、塾へ通う目的に沿っているかは、大事な判断基準です。一言に塾と言っても、授業の進め方、特色は異なります。
例えば、受験合格を目的とした進学塾であれば、授業の進行速度が早い傾向にあります。学校の授業よりも早く、どんどん新しい内容を勉強していき、テストも多く用意されています。また、成績によってクラスが割り振られる場合もあります。
こうした授業を行う塾がある一方、学校の授業の速度にあわせた進行を行う塾もあります。形としては、学校の授業の内容を、塾で復習するような進行になります。そのため、学校の授業についていくためであったり、学校のテストでしっかり点を取ることを目的とする場合、それによって内申点を上げていきたい場合などは、こうした塾が向いていると言えます。
それぞれに良さがあるため、塾選びの際は、塾へ行く目的をはっきりさせて、目的に合った授業を受けられる塾を選ぶことが大切です。
設備
校舎に備わっているかチェックしておきたいのは、以下の3点。
- 自習室
- セキュリティ対策
- 飲食スペース
セキュリティ対策は当然として、自習室は子供の自主的な勉強を、環境によって後押しするのに役立ちます。
飲食スペースは、自宅で食事せず、お弁当を持たせる場合に役立ちます。もしそうした形での通塾を予定している場合、あわせて確認しておきましょう。
6.評判や実績が良いか
評判や実績を確認してみるのは、その塾を知るのにとても良い方法です。
その塾に子供を通わせているという人が周りにいれば、どんな塾か、話を聞いてみましょう。生の声によって、その塾が子供に適しているか、判断する多くの材料が手に入ります。
また、インターネットで評判を確認するのも有効です。但し、インターネットの情報は真偽の判別が難しかったり、誇張が混じっている場合もあります。その点は、注意が必要です。
学年別!塾選びチェックポイント

小学生
小学生の塾選びでは、勉強に対して前向きな気持ちになれる要素を基準にすると良いです。
具体的には、学校の授業よりもほんの少し早く授業を行う、予習型の塾であること。「問題に正解すると楽しい」という感情を小さい頃から知ることで、勉強そのものが楽しくなります。
まだ勉強に慣れない小学生、まずは勉強を楽しいと感じられる塾を選ぶのが大切です。
中学生
中学生の塾選びでは、無理なく通える塾であるかどうかが大切になります。
中学生が塾に通う目的の多くは高校受験です。しかし、部活動も始まり、学校行事も楽しみたい時期、塾に通うのが難しい場合も出てきます。また、多感な時期に勉強の詰め込みが過ぎると、途中でモチベーションを失ってしまう可能性もあります。
だからこそ、中学生では無理なく通える塾を選ぶことが重要です。
高校生
高校生の場合、大学受験のための戦略を立ててもらえる塾であるかどうかが、大きな基準となります。
高校生が塾に通う目的の多くは、大学受験です。大学受験は科目数が多く試験範囲も広いうえ、大学ごとに試験問題に特色があります。そのため、志望校にあわせた対策も求められます。
高校生活の限られた時間で大学受験に合格するには、戦略的な対策が必要になってきます。「限られた時間をどのように使い、どの科目のどこを勉強すればすればいいのか?」という、学習状況の管理が必要になるわけです。
そのため、高校生は、受験のための戦略を立ててもらえるかどうかを大きな判断軸にして、塾を選ぶ必要があります。
失敗しない塾選びの方法

体験授業を活用する
これまで多くのチェックポイントを挙げてきましたが、それらが必ず子供に合っているとは限りません。そのため、必ず体験授業を活用しましょう。
塾の授業を楽しいと感じるかどうかは、学習意欲を保ち続けるうえで、とても大きな要素になります。通うのは子供自身だからこそ、実際に授業を受けてみたときの印象を、大切にしてあげてください。
他にも、体験授業は、どんな先生が実際に授業をしているのか、どのような進め方をしているかなど、生の情報に多く触れることができる良い機会です。
積極的に活用し、子供が「通い続けたい」と思える塾を選びましょう。
料金や口コミだけで選ばない
料金や口コミは塾選びにおいて役立つ判断材料ですが、それだけで決めてしまうのは、注意が必要です。
料金の注意点
料金については、金額の大小だけでなく、実際に受けられるサービスと料金を比較して決める必要があります。
料金に対して、授業時間はどのくらいなのか、どのような授業・指導内容になっているかなど、広い視野で費用を確認することで、料金に見合った効果を得ることができます。
口コミの注意点
口コミは塾の評判を利用者の面から知ることができますが、あくまで判断材料の一つとして、重きを置きすぎないように注意します。良い口コミと悪い口コミ、両方を確認したうえで、他の情報と一緒に判断することで、公平な視点で判断することができるようになります。
「思っていた塾と違った……」というミスマッチを防ぐためにも、料金や口コミ以外の情報も取り入れ、総合的に判断することが大切です。
まとめ
塾に通うことには、多くのメリットがあります。学習習慣の定着、学力や内申点の向上、受験合格など、目的を明確にし、それに合った塾を選ぶことで、そのメリットを最大限受けることができます。
反対に、目的が曖昧なまま、子供の特性や勉強の方向性が合わない塾を選んでしまうと、学習意欲を大きく削いでしまう危険があります。
塾選びの際は、保護者だけで決定するのではなく、子供とよく相談しましょう。目的を明確にし、いろいろな種類の情報を集めてみてください。そのうえで体験授業を活用することで、子供に合った塾を、ずっと選びやすくなりますよ。