小学生が塾に通うとかかる費用は?費用相場や選び方のポイントをチェック!

小学生のお子さんをお持ちの保護者の皆様にとって、他の家庭が子どもの塾にどの程度の費用をかけているのかは、参考にしたいポイントではないでしょうか。

今回は、文部科学省が行った調査とそのデータをもとに、小学生のお子さんに使われている塾の費用の平均額や、どの程度の金額を使っている家庭がボリュームゾーンなのかといったお話をしていきます。

また、発生する費用の内訳や、塾のタイプ別の費用相場、塾選びにおける費用面のポイントについてもご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

小学生が塾でかけている費用は?

まずは、塾の費用に関する平均額を見てみましょう。

以下は、文部科学省が行った、令和5年度子供の学習費調査の結果です。

公立小学校私立小学校
年間1円以上支出者のみの平均額(千円単位)約160,000円約366,000円
月額平均額約13,000円約30,000円
※ 文部科学省 令和5年度「子供の学習費調査」より計算

小学生の年間の学習塾費は、公立小学校に通う児童の場合は約160,000円、私立小学校の場合は約366,000円です。それぞれ、月額に換算した場合、公立小学校が約13,000円、私立小学校の場合は約30,000円となります。

これは塾に通っていない人を除いた平均値であり、「実際に塾に通っている人たちが支払っている金額」により近いデータだといえます。

そして、どの程度の費用をかけているかは、それぞれの家庭によって異なります。その分布は、以下の通りです。

公立小学校私立小学校
0円64.8%27.8%
~10,000円未満2.9%2.6%
~5,0000円未満7.0%4.9%
~100,000円未満5.7%9.4%
~200,000円未満11.7%15.5%
~300,000円未満3.9%10.0%
~400,000円未満1.0%7.6%
~400,000円以上3.0%22.3%
※文部科学省 令和5年度「子供の学習費調査」より

上記のデータからまず読み取れるのは、公立小学校の児童は、塾に通わない割合が高いということ。公立小学校に通う児童の64.8%は、塾に通っていません。これは、私立小学校の27.8%と倍以上の差があります。

裏を返せば、全国の公立小学校の児童で塾に通っているのは、約35%。私立小学校の児童で塾に通っているのは、約72%です。

ここから、このデータをさらに深掘りしていきましょう。以下は、上の表から「塾にかけている費用が年間0円」の人を除いたデータを、再計算したものです。つまり、「塾に通っている人は、年にいくら支払っているのか」というデータとなります。

公立小学校私立小学校
~10,000円未満8.2%3.6%
~5,0000円未満19.9%6.8%
~100,000円未満16.2%13.0%
~200,000円未満33.2%21.5%
~300,000円未満11.1%13.9%
~400,000円未満2.8%10.5%
~400,000円以上8.5%30.9%
※文部科学省 令和5年度「子供の学習費調査」の分布から0円を除いて、独自に再計算しています。

公立小学校と私立小学校では、データの傾向が大きく違いますね。

  • 公立小学校は、低額~中額の費用帯が中心で、塾に通う割合も控えめな傾向がある。
  • 私立小学校は、高額な塾費用を支出する家庭が多く、塾通いが前提となっている可能性が高い。

といった現状が読み取れます。「公立は塾費用の『中間層』が厚く、私立は『高額層』が多いという二極化の傾向がある」といえるでしょう。

背景に関する詳細は後述しますが、中学受験を意識する場合とそうでない場合で、小学生の塾費用は大きな開きがあります。

小学生が塾に通う場合にかかる費用とは

塾に通う際、授業料だけではなく、さまざまな費用が発生します。その内訳を見てみましょう。

入会金・入塾金

塾では、「入会金」や「入塾金」といった費用を、最初に支払います。

補習塾の場合は無料もしくは数千円、中学受験対策塾では10,000~30,000円ほどが、相場の目安です。

入会金や入塾金は多くの場合に発生する費用ですが、キャンペーンや紹介サービスなどによる割引の対象になりやすいという特徴もあります。

気になる塾がある場合、そうした割引の対象にならないか、チェックしてみるとよいでしょう。

テスト・検定費

塾でテストや模試、検定を受ける場合、その費用が発生します。

模試の場合、費用の目安は一回当たり2,500~6.000円ほど。複数回を受験する場合、その分、費用が増えていきます。

費用の発生方式については、授業料に含まれていたり、入塾時に一括に支払うように設定されていたり、都度費用が発生するなど、塾によってさまざまです。また、補習塾の場合は、模試そのものが実施されないこともあります。

教材・テキスト費

塾によっては、授業で使用する教材やテキストの費用が発生します。この点、塾によって特色が異なる所です。

効率的な学習が期待できる教材を独自に開発している塾もあれば、学校のドリルをそのまま使って授業する塾もあります。

もし購入が必要な塾の場合、受講科目に応じて購入数が増えていきます。そのため、この点は注意する必要があるでしょう。

季節講習費

夏休みや冬休みに実施される、夏期講習冬期講習といった季節講習を受ける場合、その費用が必要です。

中学受験する小学生にとって、塾の季節講習の重要度は非常に大きなものとなります。特に、受験学年の夏休みと冬休みの勉強は、合格を左右するほどです。

また、合宿や特別講習を実施している塾もあり、受講する場合はその費用も発生します。

季節講習費は補習塾と中学受験対策で費用の目安が大きく異なり、補習塾では20,000~50,000円ほど、中学受験対策では30,000~200,000円ほどです。

この点、受験を目的とした塾と、学校の授業を補う塾とで、目的の違いが現れているといえるでしょう。

その他かかる費用

塾によっては、施設管理費教室維持費など、諸経費が発生する場合があります。この点は、塾によって異なるため、気になる場合は、事前に確認しておくとよいでしょう。

また、「通塾に際して」という意味では、交通費や、お弁当代なども発生します。費用について考える場合、こういった点も覚えておきましょう。

小学生の塾の費用相場

次に、小学生の塾の費用相場について、二つの視点から見てみましょう。

塾の目的別費用相場

まずは、塾の目的別費用相場を見てみましょう。以下の表は、補習塾と中学受験対策塾における、年間費用相場です。

年間費用相場
補習塾100,000~200,000円ほど
中学受験対策塾400,000~1,000,000円ほど
※自社調べ

補習塾と中学受験対策塾では、年間費用に大きな開きがあります。これは、主に指導の専門性や特殊性、それに伴うカリキュラムの違いによるものです。

中学受験では、小学校の授業では習わない範囲の問題が多く出題されます。そのため、学校の勉強を頑張るだけでは、多くの問題が解けないのです。

この点、大学受験や高校受験とは大きく異なり、塾による専門的な対策が不可欠といえます。

一方で、補習塾はあくまで、学校の勉強についていくための授業を行います。

このように、補習塾と中学受験対策塾では、塾で受けられるサービスの種類が異なるのです。そのため、相場費用は別々に考える必要があるといえます。

塾の指導タイプ別費用相場

次に、塾の指導タイプ別の費用相場を見てみましょう。塾の指導タイプにはそれぞれ、以下のような特徴があります。

  • 集団指導塾……講師一人が多数の塾生を指導する形式
  • 個別指導塾……講師一人がマンツーマン、もしくは少数の生徒・児童を指導する形式

どちらもメリット・デメリットがあり、費用感にも開きがあります。

以下は、集団指導塾と個別指導塾の費用相場です。

年間費用相場
集団指導塾180,000円~
個別指導塾250,000円~
※自社調べ

傾向として、集団指導塾は個別指導塾よりも安価となりやすいです。これは、講師一人が同時に指導できる数が多く、それが費用に反映されている形だといえます。

小学生の塾を費用から選ぶポイント

ここまでの点を踏まえて、費用面から塾を選ぶポイントを見てみましょう。

安い・高いだけで決めない

教室の雰囲気や講師の相性、指導形式や授業の難しさといった要素が、お子さんにマッチしているかどうかは重要なポイントです。

塾の学習効果は、価格だけでは決まりません。お子さんにあった塾を選ぶことが大切であると、まず知っておきましょう。

金額は塾を続けていくうえで大切なことですが、「お子さんにあった塾選び」とは別の視点として持っておくことが大切です。

年間でかかる総額費用を把握する

費用面から塾を選ぶ際、月額の費用ではなく、年間にかかる総費用を把握しておくとよいでしょう。

なぜなら、「月謝以外の部分で発生している費用が多く、思ったより費用がかかった」というケースが起こりうるためです。

特に季節講習費は、年間の総費用のうち、大きな割合を占める費用です。こうした費用を含んで、年間でいくらかかるかを把握しておくことが大切といえます。

また、中学受験対策で塾に通う場合、受験までにかかるトータルの費用を把握しておくと、より正確な見通しを持てるでしょう。

学年が上がっていくにつれて費用が上がっていく傾向にあるため、全体を把握しておくことで、想定外のアクシデントを予防できます。

子供と相談をしてから決める

塾を選ぶ際は、お子さんと相談してから決めることが大切です。

なぜなら、勉強してほしい、成績をアップしてほしいという気持ちはあるかもしれませんが、塾に通うのはお子さん本人だからです。

無理やり通わせてもお子さんのモチベーションが下がってしまいますし、最悪の場合、勉強嫌いになってしまうこともあり得ます。

そのため、塾を選ぶ際はお子さんとよく話し合って決めることが大切です。

まとめ

小学生が塾に通う場合、その費用の平均金額は、公立小学校に通っている場合は約160,000円、私立小学校に通っている場合は約366,000円です。

それぞれ傾向に違いがあり、塾に通っている比率からして、公立小学校で約35%、私立小学校で72%と異なります。また、費用帯も、公立小学校は低額~中額、私立小学校は高額といった形で、ボリュームゾーンが分かれています。この点、二極化に近い傾向があるといえるでしょう。

中学受験対策と補習塾という点においても費用には大きな差があり、その差は数十万円に及ぶこともあります。学校の授業についていくことを目的とするのか、中学受験対策を目的とするのかで、塾で受ける授業の内容が明確に異なるためです。

塾を選ぶ際には、金額の高い・安いだけで決めず、教室の雰囲気や講師との相性などを考慮し、お子さんとしっかり相談した上で決定しましょう。適切な塾を選ぶことで、学習の効果を最大化し、将来の学力向上につなげることができます。

今回の記事が、小学生のお子さんの塾選びの参考になりましたらと思います。

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